第21話
2つ目の試験は実技試験だった。
召喚魔法が使える人がFランククラスの召喚獣を召喚して、それを10体倒すと言うモノだった。
◇
名前:伊集院柊
レベル:42
ステポイント:0
スキポイント:1
筋力:89
敏捷:86
魔力:7
忍耐:3
器用:23
運気:216
称号
・主
スキル
・ランダム召喚 ・筋力強化[4] ・敏捷強化[4] ・運気強化[5]
魔法
・氷属性魔法[3]
◇
使っている武器は現在の最低レアリティ、SSの鋭い短剣を使っている。
防具もこれまたSSのアイススネークのコートを来ている。
耐久力もそこそこあり、氷属性への耐性がある。
スキルの鑑定を獲得しても良いかとも思ったのだが、スキポイント10なので今回は保留にした。
これは個人の資格なので、パーティメインで行動していても1人で受ける事になる。
回復役は回復能力のチェック、後衛役は一定のダメージで破損する的当てになる。
ここで、俺はとある事に気づいた。
俺の役割ってなんだろうと。
魔法を持っているが、魔力操作はないし感知も持ってない。
さらに、使っている武器はナイフである。
「魔法剣士(ナイフ)ですか。珍しい組み合わせで戦っているんですね」
見知らぬ人(イケメン)が気さくに話しかけて来る。
こう言う時、俺はどうしても思う。
話しかけて来んなよ気持ち悪い。
しかし、成程。
俺がこぼしていた独り言を拾って説明してくれたのか。
それは助かった素直に感謝しておこう。心の中で。
「海。次あんたの番」
そのイケメン君を連れて行こうとしたのは、巫女服を着た美少女だった。
見た目は俺のタイプドストライクであった。
ぺこりとお辞儀して会場の方にさっきの男を運んで行った。
なかなか良いパーティだ(多分)
一方俺達は、緊張感のない俺、会場の様子を見せるためのモニターに夢中の暗、俺の膝を枕にして寝ているシェロ。
シェロの幼い寝方を見ているとこっちも眠くなって来る。
シェロの首に触れる。
暖かい体温が手をじんわりと温めてくれる。
「アイスハンド」
発動を意識し、発動可能までの時間を待ってから、発動する。
急速に冷える俺の手の体温。
流石の忍耐902でも耐える事は出来ず、飛び上がった。
「何すんのさ!」
「ついつい寝顔が可愛くて」
「だったらずっと見てろよ! なんで起こすんだよ!」
ド正論で草も生えん。
と、俺の番号102番が呼ばれたので向かう。
会場は正方形の真っ白な空間だった。
監視カメラも無いような空間である。
召喚されるモンスターはレッドキャップゴブリンナイト、情報通りだ。
武器はロングソードとショートソードそれぞれ五体。
動きは最初はショートソードレッドキャップゴブリンナイトが攻めて来て、相手の動きを観察して覚えたロングソードレッドキャップゴブリンナイトが攻めて来る。
なので、まずは後ろに向かって猛ダッシュ。
バカ正直に正面から戦う俺ではない。
ショートソードレッドキャップゴブリンナイト⋯⋯あぁ名前がそのまま過ぎるし長いので短剣ゴブリンにしよう。
短剣ゴブリン五体は俺に向かって走って来る。
壁に当たった事を確認した俺。
短剣ゴブリンは等間隔に五体並んでいる。
レベル3から手に入った氷属性魔法を発動する。
「アイスニードル!」
人差し指を正面の短剣ゴブリンを指して、その方向に氷の棘が飛来して行く。
急な方向転換と魔法により反応が遅れた短剣ゴブリンは一体脳天に棘が刺さり、倒れる。
その右側の刺された同胞の方を向いている短剣ゴブリンに接近して首を刺す。
そのままショートソードを拝借し、攻めて来た横の短剣ゴブリンのショートソードをショートソードで受け止め、右のナイフで両目を切り裂くように払う。
「ギジャアアア!」
伊達に暗の戦う姿を見て来た訳では無い。
苦しんでいるゴブリンの首を掴んで、背後から攻めて来た他の短剣ゴブリンに向けて短剣ゴブリンを投げる。
急に投げられ、ショートソードを引っ込めた短剣ゴブリンはゴブリンに押されて倒れる。
その場所に接近して、ゴブリン事短剣ゴブリンを突き刺し、ナイフをグリングリンして倒す。
最後一体の短剣ゴブリン、そして五体のロングソードレッドキャップゴブリン、通称ケンコブが俺に向かって走って来る。
短剣ゴブリン達は消滅して、ショートソードだけを落とす。
1本拝借して反対の方向に走る。
動きが速い短剣ゴブリンが俺に向かって走る。
振り向き人差し指で短剣ゴブリンを指す。
その行動に短剣ゴブリンは動きを止めてショートソードを盾のように構える。
ところがどっこい。俺は魔法の発動なんてしてません。
短剣ゴブリンに接近する。
フェイクだと気づいた時にはゴブリンから拝借したショートソードが貴様の首を捉えている。
残るはケンコブだけだ。
◇
「マスターの奴、だいぶ成長したな」
「そうですね」
昇格試験だし、真っ当に正面から戦え。
正々堂々戦え。そう思う人がいるかもしれない。
だが、そしたらこの3名は確実にこう返す。
試験だから本番のようにやらないとダメだろう、と。
命の掛かった戦いで正々堂々なんて意味の無い阿呆の言葉。
使える物は使い。出来る事はやる。もがき足掻きそして勝ち取る。
それが今の考え方だ。
「となり、良いかな?」
「だめ」
と、言われながらもシェロの隣に座る海。
「全く、スマートな戦い方じゃないな」
「君ならどうやって戦うんだ?」
「それりゃあ、僕はナイトだからね。盾で攻撃を防ぎながら戦うさ」
「あそう」
「君は?」
「壊す」
ニヤリと笑ってシェロはハッキリとそう応えた。
◇
刀身が長い分、起動が読みやすく何とか躱せる。
躱しながら魔法発動までの時間を待ち、目の前のケンコブに人差し指を向ける。
バックステップするケンコブに魔法を放ちながら左のショートソードを投擲する。
ロングソードで氷の棘を弾き、ショートソードを躱すが、ナイフでケンコブの心臓を刺して、グリングリンと回転させて倒す。
「これ、借りるぜ」
ロングソードを拝借する。
残り4体。
把握するためにも猛ダッシュだ。
距離を取るのは基本中の基本であり、相手に遠距離攻撃がないのは分かっているので安心だ。
クルッと向きを変えてケンコブに向き直る。
ケンコブは武器の長さ故か動きが鈍い。
右に向かって走る。
ケンコブも俺の動きに合わせて向きを直そうとするが、それよりも速く1番右のケンコブに接近する。
まずはナイフを投擲する。
剣で防ぐが、がら空きの所をロングソードで首を刺し、引く。
ナイフの落下ポイントを把握し、キャッチする。
残り、三体。
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