第18話
いくつかのダンジョン攻略し、俺とシェロはEランクへと昇格出来るまでの資格を得た。
と、ここで問題になるのが暗の存在であった。
暗はまだ規定をこなしていない。
この状態で俺達がEランクに上がって、暗と一緒に攻略しても、暗がパーティに依存していると見なされて規定の俺とシェロと2人いるので、合計30個が規定となる。
逆に俺達が暗の規定まで付き合ったら俺達の攻略量が多すぎる問題に当たる。
さて、どうしたもんか。
「いや、普通にボスコアにハンターカード翳さなければいいだけやん」
「あ、そっか」
寧ろ俺的にはFランクのダンジョンをずっと攻略したい。
ま、それは
さ、これで今日は終わりだ。
ボスコアでのランダム召喚はずっと白魔石が出て来た。
攻略しては魔石を売りさばいてを繰り返していたし、かなりの金が溜まった。
「ランダム召喚」
そろそろ引っ越しても良いかもな。
と、白魔石を回収してダンジョンを後にする。
暗と別れて俺達は深夜帯になるまで適当に時間を潰す事にした。
深夜になり、家も静かになった頃だと思うので帰る事にした。
「もしも暗が終わって、ランク昇格したらさ、俺達最速でFランクから昇格した事になるのかな?」
「どうだろうね? 誰かは分からないけど、日本最強のハンター、別名ウェンポンブレイカーと呼ばれている人がいるからね。その人がどのくらいのペースでダンジョンを攻略しているかが分からない」
「変な別名だな」
「なんでも、攻略の度に武器を破壊しているらしい。武器がその人の強さについて行けてないって噂」
シェロって色々と詳しいよな。
家の扉を開けて中に入る。
シェロが先にトコトコと歩いて、靴を取って袋にしまい、電気を付ける。
カチッ、「わっ!」、俺達驚愕。
奥さんが俺達の目の前に居たのだ。
「こ、こんばんわ」
シェロが引き攣った笑顔をピクピクと見せて、こんばんわと言う。
この状態だと2つのパターンが考えられるだろう。そうであってくれ。
1つ、俺がシェロを連れて来た。誘拐的なモノと思われる。
2つ、俺がシェロを連れて来た。そこら辺に迷子になっていて俺が連れて来た。
「そ、その。えと、え、えー、ご、あ、その」
「これには深い訳がありまして」
「どうしよう⋯⋯」
奥さんを連れてリビングに向かった。
そして、俺はシェロの事を包み隠さず話した。
「そうですか。スキル⋯⋯ハンター、になっていたんですね」
「は、はい。それである程度の金も溜まったので、引っ越そうと思っています」
「そうですか」
上手く話が纏まり、俺達は寝床に着いた。
翌日、今日は休みとして俺達は不動産に向かった。
不動産で3人くらいが普通に暮らせる程の広さがあるアパートを選択。
こう言う時にギルドとかに所属していたら困らないらしい。
ハンターは最初の方は不安定だろうが、ある程度行くとすぐに安定する。
故に、ハンターと言う職業は小説家などよりも社会的な地位が高い。
契約して必要な物を電化製品で購入する。
部屋から持って行く物は一時的に『ストレージボックス』と言うアイテムを借りる。
見た目は完全に箱なのだが、この箱は特別製であり、冷蔵庫などの大きな物も入る。
当然、容量も多い。
パソコンなどの物を全てしまう。
皆外に出ており、家にいない内に全て終わらせる。
俺達が居なくなった時は奥さんが伝えてくれると言う話で纏まった。
俺は奥さんに頭が上がらない存在になってしまった。
書類関係などで当分は部屋に居るだろうが、すぐにアパートの方に行けるだろう。
◇
一方暗はその頃、ホームレスのおじさんにダンボールハウスの作り方を教わっていた。
「最後にブルーシートを被せれば、雨も問題ないよ」
「おぉ! ありがとうなのだ! これで自分の家が出来たのだ!」
暗は目を輝かせてダンボールハウスの中をじたばたする。
貰った金は数十万はあるので、それを使って必要な物は買い揃える。
こんな事を出来るのは暗だけである。
ハンターは初期費用がないと武器が買えないので、ホームレスからハンターになれる人は少ない。
暗も見るからに武器は無いのだが、召喚する事が出来る。
その日の夜。
数人の人影がホームレス達の溜まり場に現れた。
「おー。本当に居るよ社会のゴミ達」
「き、君達はなんだね」
「ゴミを有効活用しに来た人達でーす。俺達の、ストレス発散に付き合ってもらいまーす!」
「な、何をする!」
暗に色々と教えているおじさんに1人の男が殴り掛かる。
おじさんは防御体勢をとったが、年の差も相まってか吹き飛ばされる。
「おいおいガク、程々にしろよ? 死んじまったら大変だからなぁ。さーて。俺もサンドバックを探そうかな?」
おじさんに馬乗りになるガクと呼ばれた男。
マウントポジションになり、殴かかろうとした瞬間に、その男は吹き飛ばされた。
「あぁん?」
「お前達、アチキの恩人達に何してくれているんだ?」
周囲には男達のようにホームレス達を殴ったり蹴ったりしている人が居る。
暗は時計や問題雑誌などを買って、おじさん達に文字の練習をして貰っていた。
皆、孫のように暗を大切にしていた。
それに、暗も応えようとしていた。
約束の時間になってもおじさんが来ない事に不審がった暗が来て、そして見た光景がこれである。
「へぇ。なかなか可愛いじゃん。俺は一条、銀牙龍ギルドのエリートだ。月に数百万は稼げるぞ? 俺の女にならないか? ホームレスなんか止めてさぁ。一緒にこのゴミを⋯⋯」
「ゴミじゃない」
「ん?」
「おじさん達はゴミじゃない。ゴミは⋯⋯お前達だ」
一条は1歩下がる。本能的に。無意識に下がった。
(な、なんだこの女。この殺気は! あ、アイツ並じゃないか。嘘だ。あそこまでの化け物がそんな何人も居て溜まるか! 大丈夫。相手は無防備だ。それに、こいつが殺気を周囲にばらまいたからアイテムボックスから武器が取り出せる。ステータスが作用されている。問題ない)
暗はこの場にいる全ての人が認識出来ない速度で移動し、ホームレスを羽交い締めにしていた男達達を1箇所に纏めた。
麻痺毒を生成し、暗器の針で血液に流し込む。
即効性の毒であり、全員が麻痺して動く事が出来ない。
「アチキはお前らに同じ目にあって貰う。だから殺さない」
「へぇ、なかなかやるじゃん。だけど、やられっぱなしってのはムカつくよなぁ! スキル、竜人化、加速、超加速、神速、怪力、超怪力、万力、身体能力向上、身体能力超向上。
「殺気、殺す気、殺すなら殺される覚悟も持てよ」
暗はナイフを手に出す。
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