第3話
とあるファミレスで対面に俺達は座っていた。
適当に昼食を頼んで。
「びっくりだよ。マスター。まさか役職の公務員に対して緊張で言葉が出せずひたすら睨むなんて」
「睨んでないんだけどなぁ。馴れてないんだよ、人と話す事って」
「全く。次のハンター登録も大変そうだな」
「だな。なぁ、それよりもなんだあれは?」
「知らん。ご都合的なアレとして呑み込め、私は呑み込んだ」
「その言葉好きなの?」
実は、シェロの戸籍は既にあったのだ。
18歳、坂本シェロとハーフ扱いに成って、写真もきちんとあった。
びっくり仰天したわ。
「その見た目で18歳⋯⋯」
睨まれたのでそれ以上言うまい。
ファミレスからハンター協会へと移動した。
ハンター協会でやる事はステータス獲得証明書の発行、ハンター登録だ。
他にもゲートの場所とかダンジョンの情報がある。
ハンターの溜まり場的な?
ゲートとダンジョンの違い、出入口がゲート、中がダンジョン。
ステータス獲得証明書の発行の後にハンター登録、そして魔石の換金をする。
魔石の換金はハンター協会やダンジョン関連のショップで売る事は可能である。
平均の値段で換金してくれるのはハンター協会、店舗の場所によってはそれよりも高く売れたり低く売れたりする。
「はい。今日はどのようなご要件でしょうか?」
フケだらけの髪を隠す為に帽子を被り、建物の中なのに帽子を被っているのでそこそこ目立つ。
そしてここでも発揮するのが俺のコミュ障。
「えっと。ハンター登録を」
「あら、娘さんですか?」
「(イラ)いえ、私は18歳です。ステータスを最近獲得したので、ハンター登録をしたく」
「かしこまりました。身分証をお持ちですか?」
俺達はマイナンバーカードを出した。
免許証が無いので俺達の身分証はこれである。
「はい。分かりました。それではこちらに手を当ててください」
水晶が出されて手を当てる。
水晶が光り、受付の人はカードをその水晶に当てる。
数秒後、光は収まりカードを俺に渡してくれる。
「これでステータスの証明とハンター登録は完了です」
「ありがとうございます」
次にシェロが行い、俺達はハンター協会を後にした。勿論、換金はした。
合計2万円、税金によって1万8000円手に入れた。
「10パーセントの換金税、大金を手に入れるには大変だな」
「そうだな。どこ行く?」
「勿論、私達が出会ったあそこを攻略する」
そのダンジョンに到着して俺は手を前に伸ばす。
「良いの来い。ランダム召喚!」
掌に魔法陣が現れたので、掌を上に向ける。
魔法陣が光、中から肉が出て来た。
「生っ!」
「うっわ。血がドロドロだ」
一応契約の証でアイテム確認は可能のようである。
結果、本当に生肉で最低レアリティのNらしい。
ま、運気1だし、確定ないならこんぐらいが普通か。
ダンジョンの壁は破壊出来ても、床は破壊できない。
ダンジョンの床は特別性なのだ。
「さて、目指すはボスを倒して手に入るボスコアだな。マスターが強くなるにはランダム召喚を何回もやる必要があるし」
「そうだな。そのスキルの関係上、基本的に上げるのは運気だな」
既にレベルが上がっているのでステータスを上げる事にする。
◇
名前:伊集院柊
レベル:3
ステポイント:2
スキポイント:2
筋力:5
敏捷:2
魔力:7
忍耐:3
器用:3
運気:1
称号
・主
スキル
・ランダム召喚
魔法
・無し
◇
◇
名前:伊集院柊
レベル:3
ステポイント:0
スキポイント:0
筋力:6
敏捷:3
魔力:7
忍耐:3
器用:3
運気:21
称号
・主
スキル
・ランダム召喚 ・筋力強化[1] ・敏捷強化[1]
魔法
・無し
◇
こんなもんか。
全部運気に振り分けたスタイルだ。
ダンジョンの中を壁を破壊しながら進んで行くと、ゴブリンとエンカウントする。
ゴブリンの数は6体とそこそこの数がいる。
「えっと。ハンター初期基本本の内容によると」
ハンター初期基本本、ハンター登録した人に渡される本。
ハンターにはランクがあり、F、E、D、C、B、A、Sである。
モンスターも同じランクである。
ゴブリンはFで、このダンジョンもFランク推奨になった。
「さて、俺は武器も無いし頑張ってくれ」
「任せな寄生クソニートハンター」
わぁー寄生が追加された。
いつか俺一人で戦うように成るもん。
6体のゴブリンは全員が棍棒を持っており、戦斧を召喚して構えるシェロ。
「今更だが、ステータス振り分けた後にランダム召喚すれば良かったな」
「ほんとだよ! レベル上がってんならさっさとやれよ! 寧ろ私が確認すれば良かったわ!」
俺のステータスシェロも見えるんだ。
シェロは叫んでから地を蹴りゴブリンに急速に接近する。
筋力の数値により地面を蹴る力が上がり加速する。
敏捷の数値により移動速度が上がる。
その速度の遠心力を乗せた破壊力抜群の戦斧を両手で構え、横薙ぎに振るう。
シェロには手加減して欲しいが、一日に1回は思いっきり戦斧を振るいたいみたいだ。
轟音が響き、6体のゴブリンはなんの比喩でも無く、ミキサーに掛けられたようになった。
ま、ダンジョン内部のモンスターは倒したら魔石とドロップアイテムに変わるんだけどさ。血諸共。
レアドロップには運気も関わりがある。
「ダンジョンの壁が1番手応えがあるな」
「だろうな」
それからも先に進むとポヨン、ポヨンとスライムであろか? それが曲がり角から出て来た。
「……やばいぞシェロ! 逃げるぞ! スライムは全てを虚無に返す力を使える。俺達に勝ち目はない! スライムは無限に成長するんだぞ!」
「アホか! つか、良いのか? Fランク推奨ダンジョンのスライムがそんな化け物だったら世界崩壊するわ! それは某スライムだろ! それにその強さは設定が細かく練られた結果でなぁ。それに言うならエロ系のスライムにしとけよ。服を溶かすアレ。アレって皮膚溶けないのかな?」
スライムのスピードが遅くてそんな会話をする。
シェロはスライムに接近して拳を振るう。
殴られたスライムはバラバラになって散らばり、魔石へと変わった。
「ま、そんな冗談はさておき、殴った感覚は水だな」
「水なのか」
そしてゴブリンやスライムを粉砕しながらダンジョン内部を突き進み、2層へと向かった。
ハンター協会のゲート検査班の調査によって、このダンジョンの魔力量で大体2層だと言っていた。
ダンジョンの階層が多い程にダンジョンは難しく、ボスも強い。魔力も濃くて多い。そして良いアイテムが多い。
ま、俺達が手に入れたの魔石だけなんだけどさ。
「アイテム、落ちないね」
「落ちないな」
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