レイ・ガーフィールド

この身体の持ち主は、すでに亡くなってしまいました。

ですから、私が代わりにこの身体を使っているのです。

この身体は、もともと私のものではないんですね?そう尋ねてみると、彼女はうなずいた。

そうなります。この身体は、ある人間の身体なんですよ。

私は、自分の身体を取り戻すために、ここにやってきました。

それなのに、今はこの身体が私の身体のように思えてしまって…… 困っているところなんです。

俺は尋ねた。

あなたは、どうしてこの学園にやってきたのですか? すると、彼女は答えてくれた。

私は、自分の身体を取り戻しに来たんです。そのために、この学園にやって来ました。でも、今ではそれが正しい選択なのか分からなくなってしまっているんです。どうしてかと言いますと、私には目的があるんです。だけど、その目的を達成するためには、この学園にいる必要があります。

ですが、それは同時に、この身体の主の命を奪うことでもあるのです。

それが正しいことなのかどうか、よく分かりません。

だから、私は迷ってしまっているんです。

私は言った。

この学園に残ってもいいと思いますよ。

そう言った瞬間、俺はハッとした。

しまった!俺は余計なことを口にしてしまったようだ。

俺は慌てて口をつぐんだが、既に遅かった。

俺の言葉を聞いたアリシアさんが言った。それはどういう意味なんでしょう? 俺は言った。

この学園で得た知識はあなたの力になるはずですよ。

この学園で培った技術は、あなたの役にたつはずです。

そうすれば、いつか必ず、あなたの願いは叶うのではないでしょうか。

すると、彼女は首を振った。

いいえ、そんなことはありません。

そんなことはないと、はっきりと言った。

この学園で学んだことは、無駄にはならないかもしれません。

けれど、それが本当に必要なものであるのかは分からない。

少なくとも、今の私には必要ないものなのです。

だって、私はこの学園で学ぶべきことは学びつくしているから。

だから、もうこの学園には用がないのだと、彼女は言った。

それは違うのではないかと、俺は思った。

たとえ学ぶべきものがなくても、この学園にいたいという生徒はたくさんいるはずだ。

現に、この学園の生徒の中には、この学園で学ぶことに意味があると思っている人もいる。

学ぶことに意味はないかもしれない。

それでも、この学園に残りたいと思っている人は大勢いるはずだ。

だが、彼女にとっては、その考えは受け入れがたいもののようだ。

どうして、そこまで頑ななのだろうか。その理由が分からなかった。

そして、彼女は続けた。

確かに、この学園で学ぶことは多い。多くのことを学べるのだろう。でも、この学園で学ぶことは、あくまでも基礎的な部分だけだ。それ以上を学ぶためには、もっと専門的な教育が必要になる。

だから、この学園を卒業したところで、魔法使いとして一流になれるわけではない。

魔法使いとして一流になることを望むなら、他の場所で修行をするべきだというのだ。

俺は反論することができなかった。

確かに、彼女の言っていることも一理あるように思える。

だが、そう考えると、この学園で学んでいる生徒たちはかわいそうだと思う。なぜならば、この学園は魔法を学ぶための学園だ。

それ以外のことは、教えていないのだから。

だが、そんなことを言ってみても仕方がなかった。

俺は彼女に尋ねた。

あなたは、どうしてこの学園を卒業して行かないのですか? すると、彼女は答えてくれた。私は、この学園を卒業する気にはなれないからです。

この学園を卒業すれば、魔法使いとして一人前になったことになります。

でも、この学園で卒業してしまえば、魔法を使えるようになるわけじゃない。

私は、魔法使いになりたいんじゃない。

ただ、自分の願いのために、自分の身体を取り戻したいだけなんだ。

だから、この学園で魔法使いになろうとは思わない。

この学園で魔法使いになるつもりはないのだと、彼女は言うのだった。

俺がそんなことを考えていると、彼女はこんなことを言い出した。

あなたは、この学園での生活は楽しいですか? 俺は答えた。

はい。とても楽しい生活を送っています。

この学園に来るまでは、楽しい生活なんて送っていなかった。

でも、この学園に来てからは、毎日が楽しく感じるようになりました。

俺は言った。

この学園での生活は、あなたにとって大切なものになりつつあるんでしょうね。

でも、この学園での生活を楽しんでいるのは自分だけで、周りの人たちにとってはどうでもいいことだと思っているのではないですか? すると、彼女は答えた。

この学園での生活が楽しいと感じているのは、私だけのようだと。

そして、彼女は悲しげな表情を浮かべていた。

もしかすると、この学園で生活してきた時間は、自分の人生の中で一番楽しかった時間なのかもしれない。だが、この学園での生活は、自分が望んでいたものとは違っていたのかもしれない。そう思ったらしい。

すると、アリシアさんが言った。もうすぐ、この身体の持ち主が戻ってくる頃合いのようですね。

私はそろそろ失礼させていただきますと。

そう言って、彼女は教室から出て行った。

俺達は、元の部屋に戻っていった。

部屋に入ると、ハルシオン先生とオプスが出迎えてくれた。そして、こう言ったのだ。

おかえりなさいませと。

2章

「魔法使い」

俺達は、元の部屋に戻ってきた。

それからしばらくしてのことだった。

突然、部屋の扉が開かれたのだ。

現れたのは、一人の男性だった。年齢は30歳くらいだろうか。背が高く、髪は茶色で短かった。顔は彫りが深く、どこか日本人離れした雰囲気を醸し出している。

彼は俺達に気づくと、話しかけてきた。

「君たちが、この学園の新入生かい?」

俺は彼に言った。はい。そうですが、あなたは誰ですか? すると、彼は言った。

俺はレイ・ガーフィールド。このメルクリウス寮の管理人をしているものだ。よろしくなと。

彼は自己紹介を終えると、話を続けた。

今年も、新入生がやってきたんだなと。

この学園では、毎年1人の生徒が入学してくることになっているんだと。

そして、その生徒はこの学園での生活が始まる前に、ある場所へと送られることになるんだと。

俺は尋ねた。

ある場所というのはどこのことですか? すると、彼は答えた。その場所は、旧校舎と呼ばれている建物の中にあるんだと。そこには、かつてこの学園で教師をしていた人物が住んでいたと言われているんだと。

俺は尋ねた。

そこで何をするんですか? すると、彼は答えてくれた。

彼は言った。

そこに行って、自分の願いを叶えるために必要なものを探せと。

そして、もし見つからなければ、その生徒は退学になってしまうんだと。

彼は続けて言った。

この学園で勉強することは、自分のためになるはずだと。

そして、彼は言った。

この学園で学ぶことは、自分の力になるはずだと。

俺は尋ねた。

あなたは、この学園で何をしたいと思っていますか?すると、彼が言った。

俺は、この学園で多くのことを学びたいと願っていると。

そして、こうも言った。

この学園で学んだことは、きっと役に立つはずだと。

俺は尋ねた。

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