人と同じ程度で、南海の野村のような一流になれるか!

* この回は、別作品群から引用し、加筆・訂正したものです。


 これは、私が大学生の頃のおはなし。当時私は、なぜか、少女漫画類を集中して読んでおりました。そんな折、ある少女漫画家の作品を読んでいて、主人公級の女子高生が、幼馴染の同級生に対して言ったのが、これ。

 「人と同じことができないのか」

という趣旨の言葉だが、正確には覚えていない。

 ちなみにその主人公の少年には兄がいて、彼は大学生の頃バイク事故で死んでいたという。その兄の「彼女」だったのが、その幼馴染の同級生って設定。この作品では、何と岡山県の美星町が出て参ります。現在では井原市に編入されておりますが、星のきれいな街ということで有名で、作中でも幾分触れられております。

* 作品名は、佐野未央子の読切「本当のことを言おうか」。1990年・別冊マーガレットに掲載後、単行本「赫い糸のパラレル(マーガレットコミックス)に収録。


 この作品の彼女の言葉を読んだ私は、ぽつりとつぶやきましたよ。


 フン、

 人と同じこと程度で、国鉄の金田(正一)や南海の野村(克也)のような一流になれるか!


 こんな言葉が出てきたのも、やはり、高校時代にプロ野球関連の本を多数読んでいたからに他なりません。

 なんせ前者は、弱小チームの国鉄スワローズで(のちに巨人に移籍)ワンマン投手と言われて傍若無人に等しいふるまいをしつつも勝ち星を挙げ続けていた伝説の左腕(1930年代には「ポルトサイダー」と呼ばれていたらしいです。これを書いていた時、ひょんなことではじめて知った)にして400勝投手の金田正一。

 後者は、南海ホークスのテストになんとか合格後、そこから這い上がってようやく3年目に1軍定着、4年目で打率3割に到達して本塁打王、そして1965年・戦後初の三冠王に。4回ものチャンスをことごとく逃した怪童・中西太をして取れなかった三冠王を、わずか1回のチャンスをものにして獲得した、南海400フィート打線の主軸にして生涯一捕手・野村克也。

 そんな人たちの名前が、こともなく出てきた自分に、我ながら、恐れ入った次第ではあります。この頃からすでに、そういう「プロ的」な生き方というものが骨の髄まで観についていたのかなと、思われてならんのです。

 それはやはり、プロ野球本で超一流と呼ばれた選手や指導者、さらには様々な関係者の皆さんのことが描かれた書籍によって力を得られたからこそでしょうね。


 私の趣味は本来、鉄道が「本業」のようなものですが、そこからこうしてプロ野球に進み、さらにはなぜか、少女アニメなどにまで「進出」しておりますけれども、人生観を築くうえで一番役に立ったのは、やはり、プロ野球本なのです。

 ちなみに、鉄道関連につきましては、もう、趣味というよりその「研究」自体が「仕事」を超えた「ライフワーク」みたいになっていますからね。


 

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