第6話 女子大生

ここはお菓子の世界パテーシア。

2000年も平和が続く世界である。


その世界に1匹の邪悪なドラゴンが突如、現れた。

ドラゴンは我は全てを食べ尽くす者!と人々に伝え、あらゆるお菓子を人々に用意させた。

そして、ドラゴンは言った。


このような物では満足はせぬ。まだ見ぬ世界最高峰の菓子を持ってこい!

 

さすれば、我はこの世界を破壊する事はない。

と。


この危機的な状況に各地の王は集まり、話し合った。


もう、ワタシの国から出せるお菓子は無いぞ!


ワシもじゃ。


全ての国の王は困り果てた。

そこで、お菓子の神様を頼った。


神は言った。『別世界から新しい知恵を授かるのだ。さすれば、世界の崩壊は無くせる。』


と。


そして、パテーシアに呼ばれる事になったのはお菓子づくりの名門校に通う


女子大生の甘党愛香(20)

好きな物 お菓子 アイドル


であった。


愛香は今、バレンタインデーに向けての新作お菓子をお題に与えられ、何を作ろうか悩んでいた。


大学のパソコンに向かい、メモ帳を机に置き、えんぴつを持ちながら真剣に悩んでいた。

なぜなら、バレンタインデーの日、大好きなアイドルにチョコを渡せる特別なイベントが待っていたからだ。


あーん。チェミン、早く会いたいな~♡


そこへ突然!パソコンの中から、パテーシアの使者が現れた。


周りの時間は止まり、愛香だけが動けている。


キャー!何?えっ?何で皆、動いてないのよ?


落ち着くのじゃ!今、お前の周りの時間は止めた。


そう、話すのは紳士的な服を着た猫だった。


猫?が喋った?の?


よし、落ち着いたみたいじゃな。驚かしてしまって申し訳ないのだが、実は頼みがある。


猫はパテーシアの危機について丁寧に話した。


ふーん。それならさ、アタシよりプロの職人さんの方が良いんじゃない?

アタシ、やらなきゃいけない事があるの。だから、嫌よ!チェミンに会うんだから。


絶対に嫌!


そして異世界は、また1つ滅びた。







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