どんな人生を歩んでいようと、そのいち過程で他人がどう見ていようがどんな点数をつけていようが、その足跡は続いている。勿論その足跡は人同士の営みの中に残り、歩みそのものを支えもするのだ。全体として緩やかに進む時間を書き出す丁寧な筆致に加えて「そこをそう書けるのか」と思わされる一文もたびたびあり、技量を感じました。