第7話 B

「先生! 今日まで大変お世話になりました!」

「ああ、気をつけてな」

「先生と檜山くんのおかげでおもしろい記事が書けそうです!」

「商魂たくましいよキミというやつは」

「ミサキさんや須賀沼さんの想い、私は何かしらのかたちで残しておきたいです」

「そうやって因果を持つことはあまり勧められたことではないが、キミがそうしたいなら止めはしない。だが僕に泣きついてこないでくれよ」

「ニヒィ〜 でも本当にありがとうございました。東京に戻ったら先生の活躍、編集長にも伝えておきます」

「やめてくれ。あと先生も……じゃあな芹川くん」

「先生」





先生?


やめてください お願い


泣かないでよ いつもみたいにBちゃんって 呼んでくれないんですか?


どうしてこんなことするの お願い 私には 私のお腹には赤ちゃんが!


ほぉ じゃあボーナスステージってことですね 一気に二人分 先生には感謝してるんですよ 私なんかのこと 気にかけてくれて 私 先生が大好きです 八尋の8がアルファベットのBに見えるし蜂とかけてBちゃんなんてステキな呼び方してくれて だから恩返ししないと


お願い芹川さん 気に障ったなら 謝るから この子だけは


先生 ダメです 私は もう決めたので そうだ 死ぬ前にいいこと教えてあげますね 最近のファンデってすごくよくできてて ほら 悩んでた手の甲の痣 こんな綺麗に消せちゃうんです 先生のことも 綺麗にしてあげるからね


ッッ! ヤ ヤベ ォエ グア ア ッ


頑張って 先生! 出来るだけ頑張ってくださいね 私 楽しくなってきました 人生って短いんですよー だから 好きなことしていかなくちゃ ファイトー


ア" ア"あ あバ ッ






「先生、それでは、またどこかで」


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