推し活

どこかのサトウ

推し活

 面白い時間はあっという間で、いつかはエンディングを迎えてしまう

 あれほど待ち侘ていた大好きだったモノが

 次々と新しい何かに押し流されて、過去のモノになっていく


 忙しさに追われ、自由な時間が取れなくなって

 無気力な休みを過ごして

 また同じような日々を繰り返している


 ある日、パソコンの画面から懐かしい音楽が聞こえてきた

 子供の頃に遊んで、上手くできなくてそれが悔しかったっけか——

 そんな物思いにふけっていると、楽しそうな笑い声が聞こえてくる


 こちらに向かって話しかけてくるキャラクターが、僕に色んな表情を見せる

 笑ったり、悲しんだり、怒ったり、喜んだり

 体を左右に動かしたりして、愛くるしい姿が微笑ましくて


 彼女のプレイするゲームを見ていると

 まるで流れ星のようにコメントが流れていく

 この感覚を僕は知っている

 あぁ、懐かしい。本当に懐かしい——


 ここに来れば昔に、楽しかったあの頃に戻れるんだ

 新しい何かを求めていたあの頃の自分に


 世界中の人々が僕の隣にいて、思ったことをコメントするんだ

 あぁ、だったら英語が必要だ。できたらきっと、もっと楽しい

 今頃? 今更? いやいや、それは違うんだ

 日本に住んでいたら英語なんてと思っていたあの頃

 こんな楽しい世界が、こんな身近にあったなんて思わなかったから


 だから、始めようって思えるんだ

 忘れていた楽しいという気持ちをもう一度

 あの頃、いつの間にか触らなくなってしまったギターをまた手にしてさ

 貴女にこの気持ちを届けるために

 聞くに耐えない下手な歌だけど、この気持ちを伝えるために——

 

 ありがとう、応援しています

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推し活 どこかのサトウ @sahiri

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