第32話 妹の夕陽と私

ご飯を作り終えて、私の妹、ゆうちゃんと一緒にご飯を食べる事にした。

「ゆうちゃん、ご飯できたから一緒に食べよう?」

 私は断られると思っていたが、妹は部屋から出てきて用意した場所に座ってくれた。


「ゆうちゃん、この子は同じ探偵事務所に働く高倉 慶介くん。」

 私は不安だったが、隠さずちゃんと妹に慶介くんを紹介した。


「どうも、野々宮 夕陽です。」妹はクールに挨拶をした。


慶介くんは妹に、

「妹さんなんだね。僕は君の義理の兄なるんだ、よろしく。」(はぁ?)

 ちょっと!慶介くん!挨拶の仕方がおかしいよ!


そのブッ飛んだ挨拶に妹は、

「その人が誰と一緒になろうが、私には関係ありませんから…。」

 (その人って…やっぱり、私を姉とは呼んでくれないのね。)


「そんなこと言ったらダメだよ?君たちは姉妹なんだから…。」

 慶介くんは優しく、ゆうちゃんに話し掛けていた。


「慶介くん少し黙っておこうかな?」

 事態がおかしくなりそうなのでやんわり叱りつけた。


「夕陽さんはお姉さんが嫌いなの?」

 私たちの良好では無い仲を慶介くんはストレートに話を切れ込んできた。


「いえ。」妹は好きとも嫌いとも言わず、二文字で済ませた。

(慶介くん!ダメだよ!それ以上は私たちの仲を聞かないで!)


そして私は、

「慶介くん!私の家の事にこれ以上は、入り込んで来ないで!」

 私が強く慶介くんを責めると、


「はい…、ごめんなさい…。」彼は物凄くへこんでしまったので、


「ごめんね、慶介くん。こっちに来て。」

 そう言うと彼をいつも通り、膝枕して寝かせる。


そのあと妹に私は、

「ゆうちゃん。私は現実に向き合うと決めたんだ。彼、慶介くんが七つも年上の私に好意を持つ理由はなぜか分からない。だけど、今の仕事をこなしていく上で、この子には私が必要で私にも慶介くんが必要なの。」


「妹が同級生になろうが、同居人になろうが私はゆうちゃんと逃げずに向き合う。そう決めたから…。ゆうちゃんにちゃんと、姉って認められるように頑張るんだ。」

 私は今まで言えなかった本音を妹にぶつけた。


それを聞いて妹はなにも言わないが、嫌がらずにご飯を食べていた。


「慶介くん。もう帰りなさい、ここは私と妹の家になったから私の一存だけではもう、家に入れなくなったからね?」

 私がこう言うと、


「外でも、デートしてくれる?」慶介くんが言うので、

「はいはい、してあげるから、私の言うことは聞いてね?」そう答えると、


「うん!分かった、じゃあ、二人ともバイバイ。」慶介くんは帰って行った。


「ゆうちゃんはいい年した姉が同年代の男の子とイチャつき、こんな姿で仕事しているのは恥ずかしいだろうけど、あなたがこれから通う学園の安全と快適な生活は全部、お姉ちゃんに任せてね。」

 そう話して私もご飯を食べ始めた。


 妹に理解されなくても構わない。私は守ると決めたんだから…。


食べ終えた妹が、

「ご馳走さま、食器は洗うわ。」そう言うので、


「水道代も掛かるし、あとで一緒に洗うからシンクの所に置いておいてね。」

 私がそう言うと、

「分かった、ありがとう。」妹は指示に従ってくれた。


相変わらず話してくれないけど、嫌がってはいないからなんとかなりそうだ。

かつての私は必要以上の会話をしない、妹との空気に耐えれなくて、彼女から逃げていたのだ。でも、


 今の私なら、必ず姉妹の仲は上手くいくそう信じている。

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