第17話 恵令奈先生にキュンとする。

家で私服に着替えたあと、少し休憩してから学園の校門前で恵令奈先生を待つことにした。


しばらく待っていると学園から疲れ果てている恵令奈先生が歩いてきた。

「お姉ちゃん、遅かったね。」と玲奈ちゃんが言ったあと、

「お疲れさまでした恵令奈先生」私は労いの言葉を掛けた。


「二人とも待ってたの?」恵令奈先生は心配そうに聞いてきたので


「私と玲奈さんは一度、私の家に帰り、少しお話していました。そして再び学園まで来ました。」と説明した。


「私も遅くなるメールをもらってたから、朝日ちゃんと終わりそうな時間まで適当に潰していたから平気だよ。」


「教師はブラック企業だよ。」恵令奈先生は元気が無い。

(うん。私も教師役だったらこんな目に遭うんだって今、思った。)


「うちの社長は報告は必要ないって言ってたからここからわりと近い、私の家で報告会をしましょうか。」


「分かった。じゃあお言葉に甘えてそうしようか。」

(恵令奈先生には聞きたい事があるから。)


三人で私の家に行くことになった。



私たちは家に着いた。


私は飲み物を用意して二人に差し出したあと、

 美術科の全員が京都に行きそれぞれの課題をこなしながら、一泊二日の課外学習に行った事。宿泊先の近くで転落事故があった事。美術科二年の加藤 茉莉花さんが先生と付き合っていた…かもって事を伝えた。


「加藤さんは他の男性とも、うわさがあるかなり怪しい存在なんですよね。会った時に私はそんなイメージを感じなかったんだけど。」

 私は感じた事をありのまま話をした。


「情報やうわさを信じすぎるのも良くないよ。うわさは盛られて過剰に表現されているし、情報もねじ曲げたやつがいるかも知れない。」


恵令奈先生はそう言うと冷静に物事を判断するように私に言った。


「未央にその事件前後の学園側の動きを確認してもらうよ。そろそろ連絡しないと心配して飛んできそうだからな。」


そう言うと、恵令奈先生は未央さんと言う女性に電話を掛けて説明していた。


 先生が電話している間に食べ物を作って上げよう。


 私がキッチンで軽食を準備していると、姉妹でなにやら話をしているみたいだけど、(あんまり姉妹の話を盗み聞きしない方が良いかもね。)


 私は何も食べていなかった恵令奈先生のために

 野菜スープとトーストを作って、「食べてください」と言った。


「ありがとう。朝日ちゃん。ありがたくもらうね。」

 恵令奈先生は食べて休憩している間は、


 私と玲奈ちゃんはお菓子を食べながらお喋りしていた。


話を再開し始めたあと、

恵令奈先生は私を見て、

「朝日さん。この事件を解決できないと京都で死んでしまった、彼はこの世から離れられない。だから、君の力を貸して欲しい。それが今後の君の成長に繋がるはずだよ。」

(先生は私を必要としてくれている。よし!やるぞ!)


「はい!恵令奈先生!解決に向けて頑張りましょう!」


 その言葉を聞いた恵令奈先生は私の頭を撫でてきた。


「朝日さんもこれで成長した。あなたの長所を伸ばしてがんばってね、応援しているよ。これからは君が学園のみんなを守るんだ。」

(私、今、恵令奈先生を見てキュンってした。)


「よし、明日からも頑張ろうね。朝日ちゃん。」


「はい!恵令奈先生!」先生…カッコ良すぎだよ。

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