第8話 【星空の夢】

 「ーー起きて、起きて…」

…あっ。あれ…?ここは。また俺の心の中?あぁ、とっても綺麗な場所だな。僕はどうして、忘れかけていたんだ。あぁ、ここに…。

(楽)「あっ!理椿君だ!こん、ばんは?」

「ふふっ。そうだね。こんばんは」

(楽)「何か、会ったときより少し変わりましたね。理椿君も、何か、楽しそう!」

「そ、そうかな?いつも通りだと思うけど…」

(喜)「俺も、明るくなったような感じがする。何か良いことでもあった?」

(愛)「そりゃー。優太君でしょ。さっきまで、一緒に居たんだから。大事な大事な、親友でしょ?」

「いや、多分それもあるとは思うけど。もし、少しでも変われたなら皆のおかげかもね」

(楽)「哥奈たちが、ですか?」

「うん。朝起きたら、僕は皆のこと忘れかけてたんだ。訳も分からず、涙が出たんだ」

きっと、僕は、僕にとって…。

(楽)「か、哥奈たちのせいで、悲しませてしまいましたか…?」

「違う違う。きっと、覚えてないことに、僕は泣いてしまったんだ。だから、さっきこの星空を見て、ホッとしたんだ」

(愛)「そんな事言ってくれると思ってなかから、何か照れちゃうな。理椿君、ありがと!僕たちを思い出してくれて」

(喜)「きっと、心の中とはいえ、頭では夢を見ているつもりなんだろう。だから、夢と同じように、目が覚めてしまったら忘れてしまうんだと思う」

「そ、そうだよね。じゃあ、また目が覚めたら皆のこと忘れてしまうのかな…?」

やだな。覚えていたいな

(楽)「大丈夫だよ!もし、忘れたとしても哥奈たちなら、きっと逢える。また、夜には逢えるから。逢うたんびに思い出せば良いだけだよ」

(愛)「そうだよ。それに、夢だってさ、何故かずっと覚えてることだってあるでしょ。だから、きっと何かきっかけさえあればずっと覚えてられることだってあると思うよ」

「そうだね。ありがと。いつか、ちゃんと覚えていられたら良いな」

とっても、安らぐ。やっぱり、皆で見る星空は、何倍も綺麗で、大事な時間。あぁ、ここに居たいな。

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