第2話 【あたりまえの終わり】

「ただいま…」また1人空っぽの部屋で呟く。いつから僕はこんな生活になってしまったんだろう。考え出すときりが無い。お父さん、お母さん、いったいどこに居るんですか?僕はどうすればいいんですか?

「応えてよ…」

あー、もう。考えるのはやめだ。寝よう。今日も、幸せだったな。こんな日々が、一生続くはずもないのに…。でも、少しでも叶うなら。あと、少しだけでもそのままでいれたら良いのに。

「おやすみ…」


 現実では見たことの無いようなそんな霧に包まれた場所だった。彼女だ。そうだ僕の見た夢に出て来た彼女が、今、目の前に居る。とっても綺麗な紺色の長い髪。キラキラとした瞳と小柄な背丈。白い肌を包む、白いワンピース。とっても懐かしいようで、寂しい感じがした。

「えっと…。あ、、あのっ!変なこと聞くかもですが…。君は、誰ですか?もしかして、出逢ったことあったりしますか?」

彼女は、ただジッと見つめて微笑むだけ。でも、とっても綺麗で僕の心は、何も知らない彼女に吸い込まれてしまいそうだった。

(?)「聞いても無駄だよ。初めて会ったときは、喋ってくれたんだけど、今じゃ、俺ら誰一人しゃべってくれなくなっちゃって…」

(?)「まっ、まさか、、ほんとに来るなんて、、、」

(?)「どうするのよ。こんな事みんな初めてじゃない…」

(?)「これから、どうすれば良いんだろうね…」

(?)「ま、まぁ、なんとかなるでしょう!ねっ!」

さっきまでは、彼女しか居なかったはず。いつの間に5人も増えたんだ。この場所は、いったいどこなんだ…。

「あっ、あの…」

(喜)「あっ!ごめんごめん、理椿君が1番混乱してるよね。ほんとに、ごめんね。まず、ここは君の心の中と言えば、、良いかな。俺は、菁羽(しょう)!理椿君の嬉しいという感情から生まれたんだ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る