第45話

それでも、この空間をやけに心地よく感じられていた。



なにもかもどうでもいい。



ひたすら弘志君の声を聞いて、弘志君のいいなりになって。



それが今の自分にとって一番楽な選択肢だった。



ここから逃げようとしてもがくと苦しい。



やがて、逃げる気力は消えていく。



どうして自分はここから逃げようとしていたんだっけ?



そんな風にすべてが真っ白になっていく。



そうなれば、きっとあたしは、楽になれるから……。



あたしは弘志君の声を聞きながら、かすかに笑ったのだった。




END

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リアル彼氏 西羽咲 花月 @katsuki03

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