第5話

☆☆☆


1分後、スマホにはキャラクター選択の画面が出ていた。



「へぇ! キャラクターが暮らしている地区から選ぶんだ!」



キャラクター選びはまず、どこに暮らしている彼氏と恋愛するか、というところから始まった。



実在する県の名前がズラリと並んでいる。



地域ごとの行事がイベントとして出てくるということらしく、まさしくリアルなデ

ートが味わえるのだろう。



マリナに復讐するということを考えれば、地元を選ぶのは当然だった。



「どの県を選んでも、同じキャラを選択できるんだよね」



あたしは画面を見つめて呟いた。



地元を選択したのち、青い髪の毛の男の子を選ぶ。



他にも気になる男の子キャラはいたけれど、ゲームは1度やって終わりというわけじゃない。



面白ければ何度でもやり直せばいい。



その後、画面上に説明が表示された。



《リアル彼氏は実在する男の子たちの恋愛体験をもとにして、作成されています》



画面上に現れた説明にあたしは大きく頷いた。



恋愛ストーリーの提供者が実際にいるということらしい。



そう考えると心臓がドキドキしてきた。



誰かの恋愛模様を除き見している気分になるし、これならさらにリアリティがアップすることだろう。



《このゲームはメッセージアプリと連動しています。



ゲーム内で男の子から送られてきたメッセージは、実際にあなたのスマホに送られてきます》



「へぇ! なかなかよくできてるじゃん!」



あたしは関心して声を出していた。



これならマリナに証拠としてメッセージを見せることもできるのだ。



俄然楽しくなってきた!



その時だった。



スマホが2度震えてメッセージが届いたことを知らせた。



確認してみると、それは自分が選んだゲームキャラにフォローされた音だったのだ。



「すごいじゃん!」



表示されているアイコンは、イラストによく似た男の子の写真だ。



髪の毛の色は黒いけれど、それ以外はそっくり。



一瞬この人が恋愛経験の提供者かな? と思ったが、すぐにゲームキャラのモデルさんだと気がついた。



いくらリアルでも実際に恋愛経験をした人の顔写真を使うはずがない。



恋愛体験をそのまま提供しているのだから、これ以上個人情報をさらすとは思えなかった。



「よし、さっそくプレイしてみるぞ!」



あたしは気合を入れて呟いたのだった。

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