第一章 別れと出会いその3

 「あの・・・俺のこと忘れてませんか?」


 そうロイドが言うと、国王たちはすぐにアリスから離れ、玉座に座りロイドは

跪つき国王は問いかけた。


 「まず、名はなんと申すか」


 (この娘大好き野郎!ぜってえ俺のこと忘れてただろ!?)


 そんなことを思いつつ名前を名乗った。


 「ロイド・・・ただのロイドと申します」


 すると、国王と王妃はアリスに名乗ったときと全く同じ顔をしていた。


 「ただの?まぁ今はそんなことはどうでもいい。それで、娘のアリスとはどういう関係だ?」


 「私はアリス様が盗賊に襲われているのを助けただけです。」


 そう言うと国王は驚いた顔でアリスに聞いた


 「それは、本当なのか!?」


 「はい!本当です!!ですので彼は命の恩人であります!!」


 なぜか、アリスはドヤ顔で言った。


 すると国王はすぐにロイドの縄を解くように命じた。


 「すまない。命の恩人にこのような仕打ちを」


 「私からも、娘を助けていただきありがとうございます。」


 国王と王妃はロイドに深々と頭を下げた。


 そして、アリスが口を開いた


 「お父さま、お母さま。お願いがあります。どうかロイドを!」


 「は?」


そう言ったのは、国王でも王妃でもなくロイドだった。


 俺は今混乱している。アリスがいきなり国王たちに雇ってくれと言ったからだ。


 「どういうことだ!?アリス!?」


 俺はアリスに説明を求めた。


 「あなたどうせ行くとこないんでしょ?見ていれば分かるわ。だから、ここで雇ってあげると言っているの」


 アリスはそう俺に言った。


 (まったく、自己中な女だ。でも、ここで働くものありだな)


 「それで、お父さま、お母さまどうですか?」


 アリスは国王たちに問いかけた。


 少しの沈黙の後


 国王が


 「私としてはぜひ雇りたいところが」


 と。少し引っかかる部分があるようだ。


 すると、次は王妃が

 「私もと同じ気持ちだけど・・・あなたのことをよく知らないからそういうわけにはいかないのよ。だから、教えてあなたのことを」


 と言った。


 「私は・・・俺は元ブルーンス家の人間で追放された身です。」


 「「「え?」」」


 その場にいる全員が驚いた。


 その理由は、ブルーンス家が伯爵で名家であるからだ。そこを追放されたと聞いたら驚くのも無理もない。


 そして、国王と王妃はお互いの顔を見て頷き王妃が


 「詳しいことはわかりませんが、ロイドあなたのことを雇うわ。・・・ただし、一つだけ条件があります。」


 ロイドはどんな条件が来てもいいように覚悟を決めていた。


 「私たちのことを本当の家族だと思いなさい。」


 予想外な条件だったが俺はその条件を呑むことにした。


 それを聞いたアリスは嬉しそうにしていた。


 「改めて私はこのレイテ王国の王―エルドール・ブラウン―だ。そして隣にいるのは」


 「エルドールの妻―レナー・ブラウン―と申します。」


 「これからよろしくお願いします」


 俺は頭を下げ言った。


 その後、ロイドたちは応接室にて今後の話をし、気づけば日が落ちていたので夕食をとることにした。


 「うっま!!」


 俺はあまりにも美味しい食事にがっついていた。


 「もう!行儀が悪いわよロイド!!」


 とアリスは俺を注意するが新の両親たちは

 「まあまあ、今日くらいはいいじゃないか」


 と笑いながら言った。


 夕食を終え少し休憩をした後、俺はアリスに自室など色々なところを案内してくれた。

 そして、俺たちは夜も遅くなってきたので風呂に入ることにいた。


 現在の時刻は、9時40分なのでその一時間後の10時40分にお風呂の入り口前に集合にした。


 ロイドとアリスはそれぞれ男性用、女性用の扉に入って行った。


 ロイドは髪や体を洗い湯に浸かった。

 「ふぅう。疲れたー」


 俺はそんな独り言を言っていた。

 「で、あんた誰?」


 そこには年上そうな女の人がいた。


 「私はアリスの姉―アリア―よろしくね!」


 そう言われると少しアリスに似ている気がした。


 「それで、何の用だ?」


 俺は睨めつけながら言った。


 「ちょ、ちょっと!そんな怖い顔しないでよ!私はただ、お礼を言いたいだけなの!!」


 そう言われたので睨むのをやめた。


 「ごほん。では改めまして、アリスを助けてくれてありがとう。」


 彼女は頭を下げた。


 「それはいいが・・・前見えてるぞ」


 「え?」


 彼女は自分の格好に気づき悲鳴を上げた。


 すると、すぐにアリスと近くにいたメイドが駆け付けた。


 「「あ」」


 その後事情を説明したが、アリスとメイドに怒られた。


 なんやかんやあったが自室に戻ってくることができた。


 部屋に戻るときにアリスが


 「お、おやすみ///」


 と言ったのがかわいかったなと思いつつベットに入り眠りについた。


 


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

これにて一章―追放編―が終わりとなります。

次回から二章―王都魔法剣術学園編―となります。

今後もしかしたら学園名など学園から学院に変わったりする可能性があるので

ご了承ください。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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