第一章 別れと出会いその2

 「それは、とてもいいことではないですか・・・でもその途中に盗賊に襲われたと」


 「うぐっ」


 アリスは何も言い返せなかっいた。


 さすがにこのままだと可哀想になってくるから俺は次の話題を振った。


 「それでアリス様は花束の花を手に入れることができたんですか?」


 「・・・・まだです」


 「はぁ・・・なら手伝いましょうか?」


 そう聞くと彼女は元気よく答えた


 「・・・いいの?」


 「いいですよ」


 (どうせこのまま王都に行ってもすることないしな)


 「ありがとう!!」


 彼女はロイドの手を握りながらお礼を言った。


 そして、ロイドたちは日が落ち始めていたので野宿することにした。


 「うぅ、夜の森は冷えるわね」


 アリスはそう言うから俺は創作魔法で毛布を作って彼女に渡した。


 彼女はジト目で俺に言った


 「もう驚かないわ。ちなみになんの魔法なの?」


 「オリジナル魔法の創作魔法と言ってイメージしたものをそのまま作ることができる魔法です。」


 そう答えると彼女はある疑問を俺にぶつけてきた


 「そこまでの力を持っているのにどうして私含めて誰もあなたの名前を知らないのかしら?」


 「・・・・・・・」


 俺はそれについて答えることができなかった。


 「まぁいいわ、あなたに色々とあるはずだから。とりあえず今日はもう寝ましょう」


 そう言うとアリスは毛布に包まり寝た。


 俺も今日は色々なことがあり疲れていたので寝ることにした。


 翌朝俺は目覚めたが彼女はまだ寝ているようだ。


 (よだれ垂らして、どんだけ熟睡してんだよ。)


 俺はアリスを起こしてやることにした。でも、普通に起こすのもつまらないから少し悪戯することにした。


 「おーい、起きてください。」


 そう言いながらツンツンと頬を突いてみた

 すると


 「ひゃ/////!?」


 アリスはかわいい声と共に勢いよく起きた。


 (なんか、エレナのこと思い出すなぁ)


 そう思いつつ俺はアリスに「おはよう」と笑顔で言った。


 「あなたねぇ!いきなり何するのよ!?」


 どうやら彼女の機嫌を損ねてしまったようだったのでとりあえず謝ることにした


 「ごめん、ごめん。寝顔がかわいくてつい」


 俺がそう言うと、彼女は顔を真っ赤にして


 「な、なら、許すわ///」


 何とか機嫌を元に戻すことができたようだ。


 そんなやり取りをしつつロイドたちは当初の目的の花を取りに出発した。


 途中魔物に会ったがロイドの魔法で難なく倒し、花咲いてる場所に無事到着した。


 「凄い綺麗だわ!!これならきっとお母さまも喜んでくれるわ!!」


 アリスは花束用の花を摘み満足そうにしていた。


 「これで目的は果たせてわ。ありがとねロイド」


 彼女は素直にお礼を伝えた。


 「いえい「じゃ、帰りましょ!」


 「え?」


 俺は困惑していたが彼女はそんなのお構いなく俺の手を取り歩き始めた。


 「ちょ、ちょっと!どういうことですか?」


 「どういうことって聞かれても、一緒にお母さまのところに帰るのよ!」


 「だからなんで!?」


 「あなたは私の命の恩人でもあるからお母さまたちに紹介したいのよ///」


 俺は”まぁそれなら何かあるかも”と思い、ついて行くことにした。


 その後は何もなく無事森を抜け王都付近まで来た。


 すると、


 「お嬢様がいたぞぉおおおお!!」


 と大声が聞こえた。多分王都の騎士だろう。

 アリスは冷や汗が出て目を泳がせていた。


  俺は

 「まさか、黙って森に行ってたのか?」


 そう問い詰めると


 「だって仕方ないじゃない///!!こうでもしないと外に行けなかったもん///!!」


 そんな会話をしていると騎士たちはロイドたちのところまで来て、アリスは保護し、

ロイドは縄で縛られたれ王室まで連れて行かれた。


 そして今は国王とその王妃を待っているところだ。


 アリスは申し訳なさそうに


 「ごめんなさい。こんな大事にするつもりはなったの」


 と謝罪をした。


 「いいよもう」


 俺はもうどうしようもないからこのことは水に流すことにした。


 しばらくの沈黙の後


 勢いよく大きな扉が開き、


 「アリスが帰って来たとは誠か!?」


 そう言ったのは国王だった。


 国王はアリスに近づき抱きしめた。


 「怪我はないか?お前のことだのための花でも摘みにでも行っていたのだろ?」


 「はい・・・そうです。心配かけてごめんなさいお父さま」


 「お前が無事ならそれでいい」


 と言いお互いに抱きしめあった。


 ところがもう一人「アリス!!」と大きな声でしかもちょっと怒った顔でアリスに近づき、アリスは打たれると思い目を瞑ったが


 「心配したわ!!」


 と言いアリスを抱きしめた。


 「ごめんなさい。お母さま。でも、これを渡したくて」


 アリスは籠から花束を出しそれを渡した。


 「お母さま!お誕生日おめでとう!!」


 アリスが最高の笑顔で言うと


 「この子ったら・・・でも、ありがとう!最高の贈り物よ。今まで貰った中で一番嬉しいわ!」


 泣きながら王妃は言いアリスを抱きしめそこに国王も加わり、無事花束を渡せたアリスはほっとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る