第一章 別れと出会いその1

 「ひ、久しぶりだね・・・ロイド君」


 「あぁ、久しぶりだな・・・セロ」


 俺に久しぶりと言った少年は―セロ・ブラウン―


 ブラウン家は魔法に特化した一族で、俺の真の実力を知っている数少ない人物で

俺に化け物と言った人間だ。


 俺は

 「の俺になんか用か?」

 と、昔言われたことをいじりながら言った。


 セロは申し訳なさそうに言った。


 「本当にごめん・・・そのせいでロイド君が追放されることになってしまった。」


 確かに俺はセロとと言われ、そのせいで力を隠すようにしたが、今は違う


 「セロ、今の俺はお前に化け物と言われたから力を隠しているんじゃない。」


 「え、じゃ、じゃぁなんで隠しているの?」


セロは、不思議そうに聞いてきたので俺は正直に答えた。


 「それは・・・


 「・・・・・は?」


 セロは、驚いて普段とは違う口調になっていたが俺はそのまま続けた。


 「お前が俺を化け物と言ってくれたおかげで俺の力が異常であることを認識することができた。そして、この力を隠さず使うと当然俺はブルーンス家歴代最強だろう。そうすると、エレナはきっと今の俺と同じ扱いを受けるだろう。」


 「だから、力を隠し、追放までされたのか」


 セロは、何か納得して俺に言った


 「僕は君のことを勘違いしてたみたいだ。」


 「どういうことだ?」


 俺はセロが言っていることが理解できなかった。


 「化け物と思っていたけど、とんど妹バカだったとはね。」


 と、笑いながら言った。


 それを聞いて

 「言うようになったじゃないか!」


 俺は笑いながらセロの頭を掻きむしゃり


 「「あはははははは!」」


 俺らは大きな声で笑った。


 そして、俺はセロに別れを告げた。


 「セロ、俺はもう行くが・・・また会おうぜ!!」


 「うん!次会ったらもっとたくさん話をしよう!」


 「おう!」


 俺らはお互いに握手をし、再び歩き始めた。


 その後は誰とも会わず、魔物がたくさん出ると言われている―アガルタの森―

に到着した。俺は、とりあえず王都に行くことに決めたが、王都に行くにはここを越えなければいけない。


 俺は、周囲探知の魔法を使い近くに魔物がいないことを確認して森へ入って行った。

 しばらく歩いていると


 「きゃああああああ!」


 という悲鳴が聞こえたので、とりあえず近くまで行くことにした。


 俺は悲鳴が聞こえた場所に着き、気配遮断の魔法を使い木の上から観察することにした。


 どうやら、身分の高い少女が盗賊に襲われているようだ。たぶん、身に着けてるものが目当てなんだろう。


 「この私を誰だと思っているの!!・・・私はよ!!」


 彼女が言った言葉に俺は驚いた。


 「そんなのわかってて襲ってんだよ!!」

 そう言いながら、持っている刃物を彼女に突き付けた。


 「ひっ!?」


 彼女は顔が青ざめて震えだしてしまった。


 (ったく、バカな女だな。まぁ助けてやるか。でも王族だから下手なことはできないな。)


 俺は魔法と解いて彼女のすぐ横に降りた。


 「「え?」」


 (まぁいきなり現れたらそうなるよな)


 俺は彼女に

 「お困りですか?お嬢さん?」


 「見てわからないかしら!?」


 「なんだ、まだ余裕そうじゃん」


 「な、なんなのよあんた」


 「つまり、あんたを助けてやるよ」


 すると、盗賊の一人が


 「おい!!なにイチャコラしんんだよ!!」


 「なんだ、まだいたのか?」


 「このガキ!!野郎ども行くぞ!!」


 掛け声と共に俺に攻撃を仕掛けてきた。


 敵は、近距離が5人、遠距離が2人いるが、俺には関係ない。


 盗賊の一人から持っていないナイフをすぐさま奪い、それを使って近距離の敵を切りつけるなどして倒し、遠距離の二人は

下級炎魔法―炎弾フレイムバレット―を発動させて倒した。


 それを見た彼女そして盗賊もが驚いていた。


 それは・・・ロイドが無詠唱で魔法を使用したからだ。


 この世界で無詠唱ができるのは、賢者や魔法を極めたものだけ、それも並大抵の努力ではないと身に着かないものである。


 それなのに、ロイドは使えていた。


 盗賊たちは口を揃えて言った


 「「化け物」」


 そう言うと盗賊たちは逃げて行った。


 (また、化け物って言われた。)


 ロイドは内心少し傷ついてのであった。


 そして、彼女も口を開いて言った


 「あなた、何者なの?」


 そう言いながら彼女はロイドを睨みつけた。


 「通りすがりのお人よしだよ」


 と俺はカッコつけて言った。


 「ところであなたの名前は?」


 (はぁあ!?スルーかよ!!)


 「ろ、ロイド・・・


 俺は今の名前を正直に答えた。


 「ただのロイドね・・・まぁあなたにも色々とあるようね。」


 彼女は、俺が訳ありなのを理解してくれたようだ。


 そして、彼女は思い出したかのように言った。


 「あ・・・私の名前がまだだったっわね。私の名前は、

 ―アリス・ブラウン―私は王族だけれど、あなたは命の恩人だから特別にアリスと呼ぶ権利をあげるわ!!」


 彼女・・・アリスは偉そうに言ってきた。


 「じゃあアリスおまえは「様を付けなさい!!それと敬語も!!」


 アリスは俺が話している途中に割って言った。

 「では、アリス様あなたどうしてこのような場所に居られたのですか?」


 俺が慣れない口調でそう言うと


 「明日、お、お母さまのお誕生日だらか花束を贈ろうと思ってそのお花を取りに来たのよ///」


 アリスは恥ずかしそうに言った。


 (な、なんだ!?このかわいい子は!?妹ほどではないが)


 ロイドは、珍しく素直にかわいいと思ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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