フレアお婆さん 3
森に向かった少女が門を通って数刻後にフレアも門を跨いだ。
衛兵に聞けば、そのまま帰路に着いたようだが、解熱草の使い道が分からなかった。
こっそり小屋に近寄ると、猫の鳴き声が聞こえてきた。
覗いてみたら野良猫ではなく、猫に擬態した魔物であり、それが熱を出している状況だった。
"苦いけど、飲んでね。"
"うにゃ~"
"ふふふ、もう少し眠っていてね。 何も無いけれど、コレどうぞ?"
"んにゃ? にゃ。"
その翌日には猫に擬態した魔物は姿を消していたが、少女は嬉しそうにしていた。
それからまた数日置いた頃になって、少女を探るように言っていた魔法使いに聞くと、フレアの孫娘であると確定された。
そして胸を張って会えると嬉しいあまり、魔法使いを連れたまま、直接小屋にノックしてしまう。
どれほど怖かったのか、少女は入り口を開けずに裏口からこっそり逃げ出してしまった。
魔法使いがそれを察して、嬉しいあまり顔が綻んでいるフレアに伝えた。
「フレア様。」
「ん何かしら? これから孫娘に会えると思うと嬉しくって!」
「その孫娘が裏手から逃げ出しましたが、よろしいのでしょうか?」
「えっ? 何か不味いことしちゃったかしら?」
「そりゃあ私でも見ず知らずの人が訪ねてきたら、逃げるか隠れますね。 だって、まだ話した事も無いのでしょう?」
「それはそうだけど...」
「なら逃げられても仕方ないでしょう。」
「うぐっ。」
それからは道中での挨拶から始まり、行き先を尋ねることを魔法使いと入れ替わりで過ごして、やっと宿まで連れてくることができたことにホッとするフレアがいた。
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