フレアお婆さん 2
ある時、少女が小屋に戻っていないことに気が付いたが、遅くなるのだろうと考えていた。
だがそれから2日3日と経つにつれて、フレアに焦りが出始めた。
門番である衛兵に聞けば、確かに少女は通ったというので、行き先を聞けば薬草を取りに森へ向かったという。
「なぜ止めなかったんだい! まだ年端も行かない若い子だよ!? なぜだい。」
「だってよ。 止めても必要だからって聞かねんだもん、仕方ねえよ。 なんだっけな、解熱草つったけなぁ。」
「解熱草だって!? あ、あれは...岩場にできるんだよ!? 一体森のどこにそんな...」
「それがよ。 面白いこと言ってたぞ? なんでも親から聞いたことがあるんだそうだ、大木の側に咲いてるってさ。」
「なっ...」
衛兵の言葉にフレアは絶句した。
森の中で大木といえば、1つしか聞かないからだった。
ーー魔の森
その言葉を浮かべたフレアは衛兵を無視して森に駆け込んだ。
それからすぐ、森の入り口で解熱草を手に握って出てくる傷だらけの少女を見つけて、つい木陰に隠れてしまった。
少女はそのまま門へと向かっていくのを、フレアはただ見つめるしかなかった。
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