107.コーヒーでルンバ

 おそらく、世界で一番メジャーな飲み物といえば、コーヒーなんじやないかしら。

 人間とコーヒーの関わりは古代から始まり、さまざまな文化や時代を通じて発展してきました。


 コーヒーの起源は、エチオピアの高地に住むヤギ飼いの伝説にまで遡ります。9世紀頃、ヤギ飼いのカリディが、自分のヤギたちが赤い実(コーヒーチェリー)を食べた後、活発に跳ね回るのを見て、その実を試したところ、自身も活力を得たとされています。その後、コーヒーはアラビア半島に広がり、特にイエメンでの栽培が盛んになりました。15世紀頃には、スーフィー教徒が夜の祈りの間に眠気を覚ますためにコーヒーを飲む習慣が始まりました。16世紀には、オスマン帝国やエジプトなど広い範囲で消費されるようになり、社交場としての『コーヒーハウス』も生まれました。


 ヨーロッパへの伝来: 17世紀にコーヒーがヨーロッパに伝わると、社交やビジネスの場で重要な役割を果たすようになり、ヨーロッパ各地にコーヒーハウスが出現しました。例えば、イギリスでは『ペニー・ユニバーシティ』、1ペニーでコーヒーを飲みながら知識を交換できる場所として機能しました。これにより、コーヒーは知識人やビジネスマンの間で人気を博しました。で、その国の物価を判断するのにお店でコーヒー一杯おいくら?と聞いてみると何となく分かったりするんですって。


 日本にコーヒーが初めて伝来したのは、18世紀末から19世紀初頭の江戸時代、長崎の出島に滞在していたオランダ人を通じてです。しかし、一般的に広まるのは明治時代以降で、西洋文化の影響が強まった頃でした。その後、20世紀初頭にはカフェが都市部に広がり、日本の近代文化の象徴となったんだそうですよ。なんかこう、和服でコーヒー飲んでる日本人の姿って、想像してみると、なんかいい感じだなって思うのは私だけでしょうか。和と洋のギャップ萌え……違うか?


 現在、コーヒーは世界中で愛される飲み物となり、日常のリラックスや社交の場、さらには創造的な活動を支える重要な飲み物とされています。また、フェアトレードやオーガニックコーヒーなど、環境や社会への配慮を意識した消費者の需要も高まっています。


 コーヒーは単なる飲み物以上に、人々をつなげ、コミュニティを形成し、文化を反映するものとして長い歴史を持っているんですが、ここで一つ注意したい事が有って、カフェインって体内で意外と分解されにくいんだそうです。個人差はあるみたいですが半減期(体内のカフェイン濃度が半分になる時間)は通常約5時間と言われいるんだそうですので、もしも、夜の12時に寝ようかなって思ってたりなんかした場合、夜の7時以降、コーヒーは飲まないほうが眠りやすくなるんだそうですので気をつけてくださいね。


 コーヒーをテーマにした楽曲で日本で大ヒットしたのが『コーヒー・ルンバ』という曲です。いろんな方がカバーされてるんですが、私はやっぱり西田佐知子が歌ったものが好きかなぁ。発表されたのは1961年ので私が生まれるはるか前の楽曲なんですが、YouTubeなんかでその映像を見つつ音を聞きながらコーヒー啜るのってなんかいい時間だなって思います。ホントはレーコードプレーヤーで円盤回しながら頂きたいんですが、昔以上にレコードを再生する機材は高騰している様で、結局デジタルな媒体に頼るしかない今日この頃なのが少し寂しく感じます。


 アナログの手間暇って言うのも悪くないと思うんですよ。そして、少し丸みを帯びた音に浸りながら香り豊かで美味しいコーヒーを飲む時間を設けてみるのも癒しの時間として素敵なんじゃないかと思います。

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