74.灯りをつけましょぼんぼりに

 気候変動が怒涛の激しさを見せた二月も終了し、少し安心出来そうな三月に突入しましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。暦の上では、立春(二月四日頃)から立夏(五月五日頃)までが春で、気象学的には五日間の平均気温が10℃以上になると春、生物学上は桜の開花など植物の成長が活発になると春、そして、体感的には暖かくなったと感じ始めたら、その人にとって春。なんかやっぱり体感的な定義が一番曖昧ですね。要は春だと思えば春と言う事なんですね。


 で、ひな祭りですね。別名『桃の節句』とも言われる訳ですが、これは旧暦の三月三日頃に桃の花が咲く時期を迎えるからなんだそうで桃は古来から魔除けの力があるとされ、邪気を祓い女の子の健やかな成長を願うために桃の花を飾るようになった事から桃の節句と言われる様になったそうです。そう言えば古事記で黄泉よみの世界に行ったイザナギがゾンビと化したイザナミから逃れるために桃投げつけてましたものね、その辺の関係とかも有るのかしらね。


 ただ私、桃の果実ってあんまり買って食べないんですよね。別に嫌いな訳じゃないんですが、桃の皮をナイフで剝くと手に桃の皮の表面に生えてる毛がくっついて取れなくなったりしません?でもってそれに気付かず顔触っちゃったりなんかするとこれまた毛がくっついちゃっていつまでもちくちくして鬱陶うっとうしかったりするじゃないですか。あれって何とかならない物なんですかね。どなたか桃の皮の毛を上手に洗い流す方法、知りませんか?


 さて、ひな祭りと言えばひなあられですよね。実は私はあんまり食べた記憶が無くて、と言うか私の実家ではひな祭りはお雛様飾る程度であんまり大きなイベントでは無かったんですよね。実家が商売してたって言うのも関係してるんでしょうか、端午の節句もあんまり思い出が無いなぁ。で、このひなあられは江戸時代、貴族の間で流行していた男雛と女雛を中心に三公九卿や五人囃子などの随身、侍女、牛車などの人形を飾り歌を歌ったりして遊んだ『ひいな遊び』って言う行事の中で、菱餅ひしもち(菱形に切った餅を3色重ねたもの)を砕いて煎ったおかきを食べる習慣が有った事から由来してるらしいです。


 この菱餅に使われる三色にはそれぞれ意味が有って白は雪の白さを表し、清浄を意味してて、緑は草木の芽吹きを表し、生命力を、そして赤は桃の花の色を表し、魔除けを意味してるんだそうですよ。あと、黄色を重ねる地方も有るんだそうで、これは金運を願ってるんだそうです。なんか古の奥深さと言うか、その時代に生きた人達の願いって言うのが何となく伝わってくる気がしますね。当時の人達って、春に対する思い入れは現代の人達より強かったんじゃないかしら。


 冬は現代と比較出来ないくらい寒かっただろうし、雪も今とは比較にならない位降ったんじゃないかしら。そんな過酷な状況を乗り越えて暖かくなってさぁ農作業だとか思うと私達が考える以上にテンション上がったんじゃないかしらねぇ。寒いより暖かい方が絶対いいじゃない。皆様はこの春、何かご予定は有りますか?新入学だったり卒業だったり就職だったり日本の春は一年で一番の節目に季節って言っても良いんじゃないかと思います。


 希望と共にひなあられを噛み締めながらこの一年が穏やかで幸せな物になる事を心から願いたいと思います。

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