73.青春の焼きそばパン

 日本の食べ物って炭水化物に炭水化物を重ねる物って多いと思いません?たとえばラーメンライスはその典型な気がするし、勿論、ラーメン半チャーハンなんてのも炭水化物重ねだし、関西の方ではお好み焼きやたこ焼きでご飯食べるって言うし、実際私もたまにやるし、うどんにおにぎりなんて美味しい以外の感想が出て来ないし。この炭水化物で炭水化物を食べるって、どうしてこんなに美味しいんでしょうね。その究極に有るのが『焼きそばパン』なんじゃないかなって気がします。


 焼きそばパンの起源に関してはいくつか説が有って、東京都荒川区南千住にあった『野澤屋』が昭和27年、焼きそばとコッペパンを同時に販売していたところ、客から「面倒だからパンに挟んで」と言われて作り始めてそれが広まったとする説や静岡県富士市で富士宮やきそばのB級グルメ化の過程で、パンに挟んで食べるようになったとする説、更に戦後の闇市で、パンと焼きそばを一緒に売っていたのが始まりとする説など、様々な説があるみたいですが、野澤屋さん説が今のところ一番有力みたいです。


 ネットでちょっと調べてみたら1970年代に学校給食で提供されるようになったって言うのが見つかったんですが、給食で焼きそばパン出た事有ります?私の記憶には無いんですがそれは青森だったから、なのでしょうか。だいたい、私が焼きそばパンと初めて遭遇したのは高校に入学してからお昼の購買部で、それまではそんな食べ物が有ること自体を知りませんでしたもの。


 学生相手の購買ですから育ち盛りのお腹を何とかして満たさないといけないと言う事で、コッペパンからはみ出さんばかりに挟み込まれた焼きそばにこれでもかって盛られた紅生姜、大量に振りかけられた青海苔のコントラストの鮮やかさ。一度食べてみたいなぁっ思ってたんですが実は小学校時代の給食のトラウマが有って私はパンが食べられない体と精神構造になってしまっていたのでただただ遠くから眺める以外の事は出来なかったんですけどね。


 そして今に至るまで焼きそばパンを食べた事が無い私がなんで焼きそばパンを題材にこんなお話を書いているのかと言うとここ最近、某『ローソン』様で47%増量セールなんて言うのを展開してるんですがご存じかしら?お値段そのままで中身が47%増量されていると言う太っ腹な製品がそして、その製品の中に焼きそばパンも有ってそれがお店の棚に所狭しと並んでいる・・・筈なんですが実際にお店に伺ってみるとそんなもの売られてる気配が全く無い。売り場の棚にはご好評につき完売しましたの表示が有るだけで、かろうじて一度だけ和風ツナマヨおにぎりを購入出来たんですがそれ以外の物は見た事無いですよ。ホントにそんなセールやってるの?ローソン様って首を傾げて疑いの眼差しを向けたくなったりしますのよ。


 テレビCMでも派手に宣伝してますが品薄になるのは前回のセールで分かり切った事なんだからちゃんと行き渡る数量を揃えた上でやって欲しいですよね。でも売れ残ったら製品の性質上とんでもない損失になるんでしょうからあんまり大量には供給できないと言うジレンマは分からないでもないです。


 おそらく買わないとは思うんですが、焼きぞば47%増量の焼きそばパンを見てみたいなぁなんて思ってる訳ですよ。そして、高校時代に購買で見たあの焼きそばてんこ盛りの焼きそばパンとどちらが豪快か比べてみたいと思ってるんですが・・・その前にセールが終わってしまいそうですね、青春時代に浸ってみたかったなぁ。

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