第14話 お経で……。

お坊さまは、葬儀会場の立てた予定表通りに……


七日ごとに、毎週みえた。



おっ様とは、古い付き合いだ。



おっ様が……骨を褒める。

《凄く、きれいなノドぼとけ

  ですなぁ。》


《お供えものが……甘いものが

  多いですなぁ。》


私は……

《せっちゃんの大好物セレクションです。笑》


《故人様の好きなモノを

供えて頂けたら、いいですよ?



例えば、フライドチキンとか?》



※一同爆笑


《さて……始めましょうか》


《お願いします。》



おっ様の、美しいお経に……

耳を傾けると……異世界に


行けた気持ちになる。



この、おっ様とは、長い付き合い

だけど、ホントに優しいし


思いやりがある。


しかも。背が高くて……イケメン




ふわふわっと……素敵な

音色を奏でる様に、木魚を叩く。



お経と木魚が……家中に……

響き渡る。



しばらくすると、お経は

クライマックスというか……



何となく、大事な部分と言うか

……イケメンおっ様は


想いを込めて、お経を奏でた。



《あ!もう終わるの?》

と……何となく察する事が出来た。



お経の間は……ロウソクの火が


嬉しそうに、ゆらゆらしていた。




おっ様が……お経を終えて


お礼を言うと……お姉ちゃんは

お布施を渡した。



こんな事も、ありました。


位牌に……お父さんの

しょうぬきをして、そして


一旦、せっちゃんの法名を

位牌に掘り……そして再び



位牌に……長いお経で……

しょうを入れる。という事を



やりますので。と……おっ様が


丁寧に話してくれた。


おっ様から、注意というか……

お願いを、された。




それは……

《仏様に……とっては水という

のを、飲み水、顔を洗う水、

体を拭く水という意味を持ちます。



よく間違われるのが……


お茶だけを、供える方が居ます。


お茶を、お供えものにするなら

まず、お水を必ず、供えて頂きたい。》



《分かりました。キチンと

  やります!》


《骨は、どうなさいますか?》


《49日……が終わりましたら

 お寺様に、納骨堂に収めます。》


《納骨代は……?》


《3万円です。……。》


《分かりました。》



《ノドぼとけ、どうなさいますか?》


《食べちゃうと……いけないから、納骨します。》

※私なりの……ブラックジョーク



※誰も、笑わない。



《では。また来週、伺います。》



お姉ちゃんと、私は……


深々と……頭を下げた。




毎週かぁ。おっ様も大変だけど


私も、病院行かなきゃ。




朝早く、おっ様がいらして、

病院へ走ると……言う時もあり



お姉ちゃんが……どうしようも

ない時は、私……一人が。



その反対パターンもあった。



49日が……いよいよだ。



お寺様に、出向かなきゃな?





お姉ちゃんは……また私に、

気を使う。


《〇〇?お寺様は……いいから。

子供の面倒見て……くれない?》


《え??!!……まぁ仕方ないよね?》




《息子達は……仕事で忙しいから

前もって。教えて欲しい。》



《うん。分かった!言っておく!》



お姉ちゃんは……テキパキと

段取りを、組んだ。



《〇〇は……行きたい時に

  お寺様に行きな??》




そうだよなぁ。




いつか……行きたいなぁ。

あの、美しい寺に……。



せっちゃんが……亡くなると



暇潰しに……神社参拝した。



神木が……あり。とても静かで

美しい神社参拝。



すぅっ。と……息を吸うと


そこは、



シーーーーン……としていた。



せっちゃんも、神社参拝して

たな?



せっちゃんのカーディガンを

仏間に……お姉ちゃんが



飾っていた……。



ようやく、、、ようやくだね?



せっちゃん。



ありがとうございます。

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