第10話 病院が変わった。
せっちゃんが……余りにも
寝ないので……。
《これは、おかしい。》
と言うことで……病院を転院した。
せっちゃんは、1か月近く
寝てなかった。
お姉ちゃんと、ケアマネージャー
さんと、せっちゃんを車椅子
にのせて、
転院先の病院へ向かうと、
病名が……今までとは、違っていた。
《レビー小体型認知症ですね?》
と……あっさり診断が下った。
レビーって?!と……
初めて耳にする、病名を調べてもらうと、
幻覚を見る認知症の意味だった。
確かに、家に居るときに
《小さな可愛い女の子だね》
と……誰も居ないのに、せっちゃんは意味不明な事を、たびたび
口にしていた。
私は……点と線が、ようやく
むすばれた。
《あぁ、納得いったわ。》
レビー小体型認知症かぁ。
これは、大変な病気になったな?
幻覚や幻聴の恐ろしさを、
私は……人一倍分かっていたからだ。
プラス認知症なんて……。
神様、せっちゃんが……何か
したとでも。言うのですか?!
これでは、余りにも酷すぎる。
余りにもせっちゃんが……
気の毒です。
神様、もうせっちゃんを
いたぶるのを、辞めて下さい。
せっちゃんは……さらに強い薬
を処方された。
それは、エスカレートして言った。
どれほど薬を処方しても
せっちゃんは……思うようには
病状が……落ち着かなかった。
病院へ行くたびに、薬の投与が
キツくなっていった。
そして、
遂には《最終段階の薬》
を処方された。
《これで、ダメならお手上げです!!》
と……烙印を押されてしまった。
先生が……見放す患者に
なってしまった。
夜中にせっちゃんは……
よく叫ぶ!と……特養からも
言われていた……。
すでに、せっちゃんと言う
人格が……崩壊しつつあった。
朝や昼は……穏やかな表情を
浮かべる。せっちゃん
しかし。夜になると
私の名前や、せっちゃんの妹の
名前を叫ぶ様になった。
どうしてだろう?
R-1を持って行くたびに、
せっちゃんの顔を見る。
少しだけ、話しをすると。
何故が、仏様の面倒が……気になっていたらしく。
私は……落ち着かせる為に
話をした。
《仏様も、ちゃんとせっちゃんの側に居るよ?大丈夫大丈夫!》
寂しい。と……その頃もらす
様になったので……
クマのぬいぐるみ🧸を持参して
せっちゃんのベッドにそっと置いた。
次第に、せっちゃんのベッドは
ぬいぐるみ🧸だらけに
なっていた……。
昔懐かしい話しを最近よく、
しますよ?と言えば
懐かしい写真を探して、
アルバムを持参した。
R-1も、おやつも……
次第に、余ってきつつあった。
お姉ちゃんに話すと……。
《もう、持って行かなくて
いいんじゃない?》
と……。
せっちゃんの寿命が……
短い。そう……
この時は、想像も出来ずに、
ただ、ただ必死だった。
健康茶も、持参した。
健康ドリンク酢を通販で……
買ってきては、特養へ走った。
ある日……お姉ちゃんの所へ
特養から連絡が入る。
《勢津子さんが!!容態が
おかしいです!!
緊急入院して下さい!!》
せっちゃんは……緊急入院を
1週間した。
お姉ちゃん、私、お兄ちゃん
わだかまりが……あったけど。
兄妹で……力を合わせた。
お兄ちゃんは……東京に住んでいるので……
せっちゃんと面会すると、
トンボ帰りした。
1週間の間に、救急病棟へは
プリン🍮を持参した。
看護婦さんに、プリンを渡し
《どうか、食べさせてあげて
下さい!!お願いします。》
お姉ちゃんは……退院前日に
せっちゃんの病室へ向かい、
退院の為の準備をしていた。
せっちゃんを着替えさせて、
居るときに、
せっちゃんは……一瞬我に返った。
《ありがとうね?ありがとうね?》
と……せっちゃんは、
お姉ちゃんに、御礼を言い続け
たらしく。
そんな、はかなげな
せっちゃんに対して、お姉ちゃんは……
悲しくて、泣いてしまったのだ。
《せっちゃん、いいよ?
よく、頑張ったね?よしよし》
お姉ちゃんの事だろう。
きっと、たくさん泣いたに
違いない……。
せっちゃんは……食事も
満足に食べれなくなり。
1週間で……3回しか食事を
取ってなかった。
そうだよね?喉にタンが……
たくさん絡んで、胃ろうを
やるのか?の瀬戸際だったから。
仕方ないよな。
お姉ちゃんは……覚悟を決める。
《〇〇?今度また、緊急入院
って、なったら辞めとこう。
せっちゃんが……かわいそう。》
私は……元気な時に、せっちゃん
から聞いていた。
【延命治療は、やりたくない。】
せっちゃんの意志を
尊重しよう。
もう、せっちゃんは……。
寝たきりに、なってしまったのだ。
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