第4話 その頃、、、。
その頃、せっちゃんは……
歩く事も、ままならなくなってきた。
良くつまずく。
段差が無いのに……。
動かずに、食べてばかりいる
ので、体重が増える。
せっちゃんは……毎年毎年、
熱中症に、かかるように
なってきた。
寝る間際とか、クーラーを
内緒で……そっと付けるのだが
夜中にトイレに起きる
せっちゃんにとっては、クーラー
が寒くて寒くて、
仕方がなかったらしく。
翌朝になると、蒸し蒸しする
部屋で……ぐったりと
していたのだ。
最初の方は、熱中症で……
病院へ向かって治療をしていたのだが。
点滴を、打つだけ。
しかも。点滴の内容もポカリスエットの様な水だと、知り
病院へは、行かなくなった。
それこそ、私も、熱中症気味
になり、せっちゃんどころ
では、なかった。
10月くらいになると、
せっちゃんの熱中症は、治まる。
毎年毎年、嫌という程に
熱中症に、かかっていた。
私としては、認知症だから
仕方ない。と……思いつつ
ウンザリしていたのだ。
私は……少し怒り気味で
せっちゃんに話す。
《せっちゃん!!いい加減に
クーラー消していかんって!!
私も、病気なんだから。
長袖シャツを着ればいいじゃんか!!》
《胸が苦しい。》
《だから。それは服が小さいからだよ!んもうー。ゆったりした
服に、着替えて?!》
《何でクーラー消すの!!?》
毎年毎年の恒例行事の様な
せっちゃんの熱中症には、
家族みんなが、呆れ果てていた。
病院で……待ち時間を
しんどくて大変ならば、ポカリスエット飲ませば。
いいんじゃないの?!
私のお姉ちゃんも、呆れ果てていた。
窓を開けても。閉めてしまう。
何が?そんなに不安なのか??
理解出来なかった。
留めに、良くサイフ👛を隠す
様になってきた。
《〇〇?サイフが無い?
知らない?取った?》
《は?知らんよ!また無くしたの??もーいい加減にして!!》
私は……お姉ちゃんの仕事中に
サイフ知らない?と聞きに
行くと、
お姉ちゃんは……仕事を邪魔
されて、キレていた。
私も、半ギレだった。
せっちゃんの部屋中を探す。
なかなか、見つからない。
お姉ちゃんと、私のイライラ
が。募る。
私が押し入れを開けて、
布団の間を探していると……
《あったぁぁぁぁぁ!!!!》
お姉ちゃんは……良かったねと
仕事へ戻っていった。
サイフ👛を無くす事件は……
それから頻繁に起こる様に
なってきた。
遂には、せっちゃんから
サイフ👛を取り上げた。
《危険過ぎて、持たせれない。》
《良いね!!?》
《持ってくよ??》
せっちゃんは……毎日毎日
バカにされてる。と勘違いして
スリッパを叩き出して、
怒りをあらわにしていたのだ。
だけど、しょうがない。
サイフ👛を探す方の苦労も
分かってよ!と……私は日増しに
せっちゃんが。疎ましく
思えて、仕方なかった。
その頃では……せっちゃんの病院へは、私一人で向かっていた。
せっちゃんが居たら
足手まといになるから。
雨が降っても、土砂降りでも、
せっちゃんの薬を貰う為に
私は……一人行動に、なった。
そして。
食事の支度も、私が一人で
やる羽目になったのだ。
買い物も、晴れや雨関係なくて
土砂降りの日にも、ぐちゃぐちゃになりながら
1週間分をまとめて、買って来ていた。
自分の病状はと言えば。
…………死にたい。
ただ。死にたい。それだけ
だった。
せっちゃんを介護すれば
する程に、依存が加速していく。
私は……すでに、
限界を、とうに超えていた。
自分の病状と、介護に明け暮れる
日々…………。
たまには、真剣に考えたものだ。
このまま、母親を
包丁で刺して、自分も飛び降り
しようか?
私は……追い詰められて、
《死にたい。》とせっちゃんと
一緒に話していた。
私が一度、死にたい。と話すと
せっちゃんは……。
私を叱った。
《バカな事を言うもんじゃ無い!》
私は…………何も言えず
誰のせいだよ……。と内心
思った。
そのうちに、担当ドクター
から、私は……
ドクターストップが入った。
《伊藤さんが、倒れます!
辞めて下さい!!》
鬱っぽくなりました。
統合失調症なのに、更に病状
が、
酷くなりました。
《誰か……助けて、誰か……。》
私は……介護なんて。
と、手抜きせざるを得なくなりました。
死にたい。
死ねない。
せっちゃんは……この頃から
よく泣くように、なりました。
《悔しい。悔しい。》
と……。
家族みんなが、疲れ果てて
居ました。
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