第3話 手をつなごう。
私の病院の日と、
せっちゃんの病院の日が、
重ならない様に、私の担当
ドクターも
せっちゃんの担当ドクターも
きっと、配慮してくれていた
のだろう。
一度、がちあった時は、
ホントに焦った。
せっちゃんは……日増しに
私に、依存してきた。
家を昔、リノベーションした
理由も……介護される身分に
なったら、大変だ。という
せっちゃんの甘い考えからだった。
亭主が居た人は、こんなにも
娘に、依存するのか??
少々、疑問を感じる。
私は……シングルマザー
なので、まず他人を当てにしない。
息子達にも、介護なんて
されて、たまるか?!と思う。
度重なる病院へ診察しに向かう。
その度に、甘いパン🍞を
買ってあげるから、
せっちゃんにとっては、
病院は、楽しい外出へと感覚が
変わっていった。
春が訪れると、
せっちゃんと病院へ向かう時
手を繋いだ。
《たまには、お洒落させたげなきゃな……。》
財布👛の中身をチェックして
洋服屋さんへ、その日は寄ってみた。
わたしは、
《せっちゃん、病院に行くには
ちょっと時間があるから……
洋服を買ってあげるから。
好きなモノ選んで?》
せっちゃんは……嬉しそうでした。
洋服を選び……
《これなんか、どう?》
《あ!!こっちもいいね?!》
結局、白い透き通る
花の刺繍が入った綺麗な
羽織る様な、ブラウスにした。
二千円も、かからずに
せっちゃんは……その新しい
ブラウスを
嬉しそうに羽織った。
私と、せっちゃんは……
手をぎゅっと握りしめて
病院へと向かった。
病院で……受付を済ませて
せっちゃんの番になった。
せっちゃんの担当ドクターは
せっちゃんに語りかけた。
せっちゃんは……上機嫌で
答えていた。わたしは、せっちゃんの答えを補足して
病状を説明した。
診察が終わると、
わたしは、せっちゃんの担当ドクターに話しを振った。
《このブラウス。素敵ですよね??せっちゃんにプレゼントしたんですよ。》
せっちゃんの担当ドクターは
《それは良かったね?
勢津子さん。身体に
気を付けてね。じゃあ次回は
〇〇ね??》
せっちゃんは……パン🍞は
いらない。と
《あんたに悪いからパン🍞
は……辞めとくわ。》
《良いって、せっちゃん。
たま~にの贅沢なんだから。
パン🍞買って帰ろうよ??》
その頃、せっちゃんは……
パン🍞を選び慣れてきて、
ピザとかを、選ぶ様になってきた。
白い透き通るブラウスは
とても、せっちゃんに似合っていた。
春の風が、わたしと
せっちゃんの間にふく。
せっちゃんの横顔を見ると、
幸せそうに。微笑んでいた。
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