第17話 リヴァイ・アッカーマン 2
人間は成長する生き物だ。それは他の動植物とは違い、個々に対して自分の生きる道が複数ある。だから人間は色々な思想を持ち、生きる事の意味を見出して、それに向けて、生き続ける。
リヴァイは立場上、心が
人はよく勘違いしている事がある。出世に対する事や、自分の仕事等がそれに当たる。人は自分より他人のほうが、幸せに思う傾向が強い。それらは全て幻想であり、現実的に言えば、才能や能力があれば出世する、しかし出世すれば、今までとは違う仕事を、しなければならなくなる。それは部下への指導やミスへの注意、それは上に上がるほど多くなる。
しっかりとした指導をしなければならない。しかし、すぐにそれが簡単に出来るようになることは無い。そして今までは同僚であった人間に、注意や指導をする事によって、上手くしなければ必ず溝が出来る。それも含めての出世なのだ。
クリミナルマインドという海外ドラマで、知的な観点から犯人を特定していくチームのリーダーは自分よりも有能な部下に対して、敬意を常に払いつつ、他の皆は仕事が終わって飲みに行ったりするが、彼は一度も行く事は無かった。慣れ合う関係も絶つ事が最善だと理解しているから、彼はそうしていた。
ここまでの話を頭でまとめて、リヴァイ・アッカーマンを見て欲しい。彼は慣れ合う事をせず、厳しい事も言うが、それは、その相手にとって必要な事だからしている。
彼は自分の立場をよく理解しているのだ。簡単では無い。恨まれようが、嫌われようが、決断を即座に下す、英断が必要になる。その人にある立場を崩しては、本来はいけないものなのだ。
しかし、それを現実的に理解している人は決して多い訳では無い。部下を統率する事とは、言い難い事でも言い、周りが緊張する程、ミスの無いように指導していかなければ、それはその人の、仕事では無いと言う事になる。リヴァイ自身では、犠牲は出したくない発言をしている。だから誰よりも戦う。そしてそれを出来るだけ可能にする為、町に現れた巨人に対して、大きな巨人を狙って倒している。
3メートル級を狙わず、仲間に死ぬなと命令し、自分が出来る限りの事をしても犠牲は出る。だからと言って、それに対して一々ショックを受ける事すらも、現場では出来ない立場にある。
彼は孤独では無い。彼を慕う大勢の仲間がいた。しかし彼らに対して、特に個人的な思想を持つ事も無く、同じ命を持つ者として、接している。
自分を理解してもらえないが、自分を慕ってくれる人間とは、苦しみを分かち合う事は出来ない。同じように苦しい立場にある物にしか、その苦しみは理解できないからである。それは我々の世界でも同じである。どんなに賢い人でも、悩みは尽きないが、ミスは許されない。ミスなどしないと周りは思っているだけで、理解者がいないというものは、非常に孤独であり、誰にも相談できない。
エルヴィン・スミスは時折、素顔を出していた。その素顔を完全に出す相手はリヴァイだけであったが、彼にはリヴァイのような理解者では無いが、昔からの馴染みの友がいた。彼らの心がゆとりを持つ事は非常に少なかったであろうと私は思う。
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