第16話 織田信長

 織田信長に関しては、色々な話はあるが、ウクライナ問題に続き、あまり理解せずにあまりにも多くの人が誤解をしているから、私見ですが、歴史には強いほうである自信は多少あるので、書いてみる事にしました。


信長が出る時、多くは悪の存在である非情な人間として、書かれている事も多く、ゲームでも悪役であったりしたため、信長=悪と思ってしまう人は多いかと思います。


何故、信長が悪人として描かれているのか、それは漫画であったり、そういったものに関してはフィクションであるので、問題は無いと思います。


しかし、ブロブ等で書かれている信長という人物の行動した出来事から、悪い人間のように捉えている人が多いようですが、断言できますが、実質、戦国時代を終わらせたのは、織田信長という人物です。


織田信長がした事だけを、見ているから、悪だと思ってしまうだけであって、信長という人物は、才女と言われた道三の娘が信長に嫁ぐ時、殺すつもりで嫁ぎました。大うつけと、世間では言われていたからです。しかし同時に、信長が本物であったら、この短刀は父上に向ける事になるとも、帰蝶は言い残して、信長に嫁ぎ、そして真の男であるとすぐに見抜きました。


しかし、現在でも信長に対して、悪く書いている人は大勢いますが、当時でも多数いました。実際、信長の教育係であった織田家随一の家臣であった平手政秀は、本気で悩んでいて、寺の和尚に相談した事もあります。その時の和尚の返事は、信長は我々では見抜くことが出来ない程の、器を持っているから見えないだけであって、心配する必要は一切無いと、平手正秀を諭しました。


しかし、斎藤道三も一目を置く、平手正秀をもってしても信長の才能は見抜けず、信長に対して、このままでは駄目だという諫める文を残して、諌死かんししました。


斎藤道三は平手正秀が、諌死したと知り、すぐに信長と会見したいと申し込み、信長はこれを承諾しました。しかも会見場所は美濃であった為、すでに信長に惚れ抜いていた帰蝶は、父が今、会見を申し出るという事は、絶対に危険だと、何度も信長をいさめましたが、信長には自信があり、会見にいきました。


斎藤道三は元々、僧でもあり、各地を転々としてどこの国なら盗めるだろうかと、旅をしていた事もあり、信長が見える中間辺りの宿屋のボロ部屋に案内され、店主は叱られるのだと恐れましたが、そういった経緯がある為、道三にとっては問題なく、その宿屋で信長一行を見ることにしました。


当然、殺すつもりであった為、どの程度の兵力を連れてくるのかを事前に知る為のお忍びの偵察でした。しかし、当時はまだ貴重であった、鉄砲に信長よりも早く目を付けた道三でさえ、数十丁しか無かったのに対して、信長は既に300丁の鉄砲隊を引き連れてきており、殺すつもりであったが、こっちが殺されると言い、暗殺を断念しました。


信長の恰好は、大うつけそのものの恰好で、行軍していたのを見ていた道三は、無礼者という理由で殺すつもりでいましたが、行軍をどこからか必ず直接会う前に見ているはずだと信長は考えており、この会見で初めて、正装の姿をしました。これ以後、信長は正装で生涯を過ごしました。道三は道中では酷い恰好をしていただけに、全ては見通されていた事に気づきました。道三も非常に優秀な人物であったため、信長の才能をすぐに理解しました。


この時の会見で、信長は皮肉を言っています「うちの濃(帰蝶)が、蝮殿と、今、会うのは危険だと何度も止められました」しかし、私は「美濃には美濃の事情があるから今この信長を敵に回すような真似はしないから安心しろ」と。


これは既に、信長が息子である義龍と道三が、内情から戦いになる事は近い事を読んでいたので、皮肉を込めて言いました。道三は「女は抱かれると、変わるものだが、帰蝶までもがそうなのかと思っておりましたが、帰蝶の目は確かだと分かりました」


この時、口約束ではありましたが、後に美濃を献上する事になると道三は言っており、才ある者は才ある者を見抜く、一例でありました。



父であった織田信秀には、多くの子がいました。当時織田家の家臣の間では、弟のひとりであった、柴田勝家を始めとする、内政的にも武力的にも優れた多くの人物が、信行を次期当主として有力候補に上げていましたが、長子が後を継ぐのが、当たり前の時代でありました。


それでも信行に継がせようという動きはあり、その意味は信行が優秀だからでは無く、信行に後を継がせれば、ある程度自由に行動出来るからであって、当時の柴田勝家などは信行派の上位仲間のひとりであったほど、信行派は大勢いました。


しかし、実際、織田家の行く末を考える人物もいました。佐久間大学もそのうちの一人で、ある日、信長の元に行き、「何用で参った?」と聞かれご機嫌伺いだと言いました。信長はその時には信行派の動きは全て、分かっており、佐久間大学が来た理由も分かっていました。しかし、佐久間大学が話を切り出す前に、帰路につこうとしたので、門前まで見送りました。


その時、信長にある話を投げかけました。「兄が頑固で、いっそ斬ってしまおうかと悩んでいます」と聞くと、信長は「肉親である兄弟と争うのは醜いだけだ。止めておけ」と返事をしました。


信長は門前まで見送りましたが、信長が大うつけと呼ばれていた時から、独自に有能な武将たちを己の子飼い武将として集めていました。前田利家や池田恒興、森長可などもそのうちの一人で、佐久間大学が信長の本当の心は、弟を斬り捨てる事になるのは避けたいと佐久間大学に言いたかったから見送ったのに対して、争いをなるべく避けるようにする為、彼は引き返しました。


その時、もう夜であったにも関わらず、正門が開かれており、「大学が忘れてものをして、戻ってくるから正門は開けておけ」と命じられた。開けておきましたと、森は言いました。


そこで信行派であった佐久間大学は信長派になるのですが、全ての作戦が見抜かれており、信長の才能はあまりにも差がある為に、皆が気づいていないだけで、その優秀さは計り知れないと感じました。


父である信秀は正直、あまりにも信長の敵対派が多い為、跡継ぎに悩んではいましたが、結局、信長にしました。


死んですぐに、戦を仕掛ける事になるのですが、全てを読み切っている為、味方に犠牲者が出る事は無く、この戦での信長の行動に敬服し、柴田勝家は信長派に転向していくのですが、命も狙われ出します。柴田勝家は信行の御供として、信長に赦しを得る為、頭をそって会見し、平謝りしました。


この事で、柴田勝家は自分の愚かさを知り、信長の器は大きすぎて、見えなかった事を恥じとしました。


第三部作になりそうなので、ここで一休みしておきます。

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