第12話 エルヴィン・スミス

 推し活とは別の切り口から、個人的にも大好きな、エルヴィン・スミスの心を覗いていきます。彼はよく、賭けだが、と口にします。しかしそれは賭けでは無く、かなりの成功率でも、彼は賭けだと言っているのは、自分の命以外の部下たちの命も使うから賭けだと言ってはいますが、彼自身、慎重な性格であり、自信が無いと実行しない人物だという事は、多くの人が気づいているでしょう。


慎重な男は、賭けをしません。そして彼だけでなく、リヴァイにも言えますが、己を過小評価する事によって、無意識ではあるが、自己啓発を繰り返してきているからこそ、あれ程までに、優れた人材になったのだと、私は思います。


秀でた人は、基本的に高みを目指している人が多い為、己を過小評価する癖があります。それは非常に良い事であり、自分の限界値をも、突破するには必要な事だからです。エルヴィン・スミスは多くの犠牲者たちの上に立って、最善を尽くしてきました。


優秀な指揮官ほど、辛い選択を迫られるのが現実です。無能な指揮官は作戦もろくに立てれず、犠牲者だけを出して自分は逃げる事が多い中、エルヴィン・スミスは最後の命懸けの特攻をした時、一番先頭をきっていきました。彼ほどの人材はそうはいない程惜しい人材で、出来る事なら彼だけでも移動して欲しいと思うのが本音ですが、彼は指揮官としても優秀な為、自分の命も入れて、最善の選択をしました。


進撃の巨人は漫画ですが、人間性に関していえば、現実的な思想を取り入れている漫画な為、面白みを増しています。


私は作者の言いたかった事は、最初から最後の言葉だったのだと思います。


その為に進撃の巨人を書いたと言っても過言ではない。現実の世界でも同じように、人間という生き物は、身勝手で生きる為なら何でも言い、状況が変わればまたすぐに思考を変える、人間という生物の悪の部分を、伝える為に書いたのかと、どうしても思ってしまいます。


私も同じ思想を持っているからかもしれませんが、私は文明は進化するが人間そのものは進化しない。という考えに至りました。進撃の巨人と同じく、あまりにも人間が身勝手であり、今、丁度ウクライナ問題があがってきており、気づいている人もいるかと思います。


既に4月に値上がりするものは決まっています。その中にはガソリンや小麦も入っており、ガソリンは200円代に突入するという意見が多くを占めています。


ロシアが戦争に動いた時に、個人単位や少数団体は反対派の意見を出しました。しかし現実的な問題を突きつけられると、黙り込みました。


エルヴィン・スミスやリヴァイでも言えることですが、内容は違いますが、信念を通すという意味では同じであり、今のウクライナの状況でも信念を持った人間は、自分を貫きます。私も頑張ってそう生きるよう日々忘れる事無く生きていますが、信念を貫くという事は、非常に難しいものです。


だからこそエルヴィン・スミスやリヴァイは輝いており、多くの人に愛されるものです。漫画や小説でも一貫して言えますが、曲げない心を胸に秘め、自分を貫くからこそ、それぞれの違う信念ではありますが、魅力が出るものなのです。


ウクライナ問題が出て、韓国の軍人が個人で義勇兵として現地に行きました。韓国はそれを知り、強制送還の処置を取りました。これが現実です。例えひとりでも参加すれば、ロシアから非友好国として認定されます。


日本も昨日か本日、ロシアから正式に非友好国として、認定するとロシアは発表しました。世界で三番目にガソリンを保有するロシアを敵に回すので、ガソリンが高騰するのです。アメリカや日本は、経済的制裁をロシアに与えました。日本はアメリカの指示で従ったのは分かり切ったことですが、日本は非常に弱い国です。そしてそれは世界中が知っています。


日本からアメリカ軍が離れる事は無いでしょうが、北朝鮮への反論も気弱で全く相手にされていません。日本海域にミサイルを北朝鮮はここ最近何度となく落としています。その度に抗議的な事を日本は言いますが、言った次の日にも落とすほど馬鹿にされているのが現実です。


日本は長い間、戦争という世界から孤立しました。平和ボケして分かっていないから色々な発言をしていますが、戦争というものはまさにエルヴィン・スミスの心のようなものであって、死は身近に常にあり、そして如何なる状況でも、指揮官は強い心を持って、部下を奮い立たせるのが任務です。仲間を勇気づけ、死ぬと分かっていてもその心は見せずに、心の中では地獄への道だと分かっていても、命令しないといけないのです。


その苦痛は、経験者にしか分からないものであり、戦争で無くても、そういった状況の中で私も生きました。自殺を図るほど辛すぎるものです。エルヴィン・スミスにはその心を知っているリヴァイがいた事により、エルヴィンの心は常に助けられていました。ひとりでも理解者がいるのと、孤独とでは比較にならない程の差があります。


エルヴィンもリヴァイも自らの任務を全うし、その中で死ねるなら本望であり、リヴァイはそれを望んでもいました。エルヴィンは真実を知る為に、生きていました。自分の殆ど当たっている予想を、どうしても100%だと、確かめたいから生きていました。その事は最後まで、リヴァイに明かす事はありませんでしたが、それだけを、子供の頃からずっと、確かめたいと願っていました。


エルヴィンは最後の最後まで自分の使命を全うして逝きました。リヴァイという理解者がいたから、生き返らなかった。それはリヴァイも同じようにその辛さを、知っていたから彼は彼を助けませんでした。そしてそれが辛いという事は、同じくらい対極する優しさがあったから、辛い心があったのです。知るという事はそう言う事であって、安易に答えを出していいものではありません。


しっかりと受け止めて、真の心を知る事によって、人間としての深まりも増していきます。彼らの心は私の心の助けになっています。漫画であろうが、現実であろうが、それは関係ないのです。同じ思想を持つ人やキャラクターがいる事で心の助けになるからです。

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