第10話 北斗の拳 北斗神拳 トキ

 彼はケンシロウとユリア、子供たちを守る為、外からしか閉められない状況になった時に、自ら扉を閉めた。そして彼は被爆し、衰弱していく事になるのだが、彼の強さは病に侵されていても、非常に強かった。彼らしい北斗神拳の中でも珍しく、柔の拳である北斗有情拳を会得した。痛みを感じさせないどころか、北斗有情拳は快楽を感じる技であった。トキは衰弱していく中で、ケンシロウはトキを甘く見ていた。

トキはラオウと対決する日が来る事を知っていた。ケンシロウは本気でトキを止めようと、お互いに恨み無しの北斗神拳の技で、互角の強さを見せた。私的にはケンシロウは無意識に、僅かに手を抜いてしまったと思っている。


そしてラオウと対決する日が来る。二人は正反対の北斗神拳を会得した。ラオウは剛の拳、トキは柔の拳。この正反対の戦いでラオウの剛の拳をトキは受け流さず、受け止めた。一時的に剛の拳を使える秘孔を自ら突いていた。

その時、トキは言う「私は兄である貴方を目指していた」と言う。しかし彼の本領は柔の拳であり、被爆さえしていなければ、北斗神拳の歴史の中でも一番華麗で強さも持ち合わせた人物であると言われていた。


ある場面で北斗神拳の師であるリュウケンが確か言った。

三人ともが伝承者になれるのに、三人を同じ時代に生まれさせたと。

それほどまでに、ジャギを除く、北斗神拳の伝承者は皆強かった。


一子相伝の為、ケンシロウが伝承者にはなったが、トキもラオウも北斗神拳を会得していた為、厳密には一子相伝では無い。しかし、北斗神拳の伝承者はケンシロウである。トキは衰弱が進む中でも、その強さは健在だった。それは南斗聖拳の南斗鳳凰拳の使い手であったサウザーとの会話で、トキは珍しく、自分が倒すような台詞を言っている。実際、サウザーの強さを図るのは難しい。弱くは無いが、強い中では弱いほうになる感じだ。トキとラオウが二人だけで、しかも敵対せずに居た場面は、この時以外に無い。二人ともがサウザーに対して、ケンシロウが負ければ、自分が倒すと言っていた。


北斗の拳では愛に関しても、強く描かれている。最初はユリアであったが、マミヤとレイ、海のリハクの娘であるトウはラオウを愛していた。それは男女間だけでなく、教えをもっと師に請いたかったサウザーや、ジュウザと妹のユリアや、バットは後にリンを好きになるが、リンはケンシロウを等、様々な愛も描かれている。愛では無く美しさを追求していたユダがレイに憧れる事や、色々詰め込まれている。


そしてトキは珍しく、所々で登場する。最後はもう弓さえ躱せない程、衰弱していたが、ユリアの兄であるリュウガは、ラオウの部下であったが、ユリアが愛した男ケンシロウとラオウを天秤にかけた。その為にケンシロウの本気の力を見る為に、トキを襲った。そして殺したように見せかけ、ケンシロウを本気にさせた。その圧倒的な強さにリュウガは天はケンシロウを求めていると確信する。その時に、トキにリュウガはユリアの兄だと教えられ、ケンシロウはショックを受ける。


ラオウとトキは本物の兄弟であり、ケンシロウは実は本当の兄弟では無い。

私は北斗の拳に対して非常に強い思いがある。実際ジャンプから読んでいるし、名前も似ているので、よくケンシロウと言われた。少林寺拳法もやっていた為、尚更言われた。実は当時、ラオウ編が終了した時に、半数以上はその後の北斗の拳を読まなくなった。その理由は色々あるが、ラオウの存在が頂点であった事や、他にもキャプテン翼やキン肉マン、他も今なら一流の漫画ばかりがジャンプに集結していた。他のマガジンとかを読んでいる人口はびっくりされるほど少なかった。そんな中でもタッチや、らんま1/2、などはマガジンや他の雑誌であったが、例えるならジャンプはラオウだった。敵無し状態であった。


トキは北斗神拳の使い手で歴代でも、一番華麗だと言われていた。

本来は禁止されていたが、ラオウがリュウケンと修業していた時、その様子を覗き見していた。ある日、トキが可愛がっていた犬が、大男に的として弓かボーガンで殺された。トキは我を忘れて、その男の足に拳を入れ、ボコボコに殴りまくった。

それをリュウケンに止められ、リュウケンにお前も北斗神拳を習いたいのか?と聞かれ、「はい」と答えた。確かラオウかリュウケンのどちらかに、何故習いたいのかを聞かれ、ラオウを目指しているとトキは答えた。本来は一子相伝の為、教えてはいけないのであるが、実は北斗神拳を習っていたのはラオウやトキ、ケンシロウ以外にもいた。ジャギではない。全くの出身も別の者にも北斗神拳をリュウケンは教えていた。そこから一子相伝の意味あいが、我々の思っている一子相伝の意味と違うことが分かる。諦めて出て行く兄弟子に対して、ケンシロウは「お元気で」と言葉をかける。そして病に侵されていなければ、トキは最強であった事はラオウも認めている。


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