第7話 喧嘩稼業 喧嘩師 工藤優作

 喧嘩稼業をひとまずこの工藤優作で一度締めくくる。そうしないとトーナメント全員を書いてしまいそうなので、そうします。


彼はヤクザに雇われている、簡単に言えば、トラブル請負人である。

富樫氏のハンターハンターでも言っていたが、ヤクザの本業は殺しでは無い。脅しが本業であって、殺しでは無い。ヤクザがどうにも出来ない相手に対して、邪魔な奴らを排除するのが、工藤優作の仕事だ。


相手が誰であろうと、何人であろうと、ひとり百万円で請け負う。

喧嘩師、工藤優作として名前を売ってはいたが、喧嘩商売で主人公と喧嘩をする事になる。それが一番喧嘩とは何かが分かりやすいものである。


主人公はあらゆる手を使って喧嘩をする。彼こそがまさに喧嘩師である。

工藤優作は怪力と打たれ強さが異常な程であるだけなのだが、それが並みの異常では無い為、負けた事は一度も無い。力の差は歴然だが、主人公は喧嘩を知っている。

喧嘩を利用し戦うのだが、彼は無残にも負けてしまう。


しかし、工藤優作を本気にさせるほどまで戦った。それは工藤優作にとっても初めての事だった。主人公は政府の要人である為、工藤優作は殺したかったが、ヤクザに止められて殺す事を諦めた。殺せば日本で一番大きなヤクザの組織でも潰されかねない為であった。


工藤優作と戦った相手は数多くいる。そして戦った全員が工藤の力だけに負けた。

技は一切使わず、異常な怪力と、その尋常ではない打たれ強さだけで相手を倒す。

彼が負けた事は一度も無い。


他のトーナメント出場者にはキックボクサーや、無敗の相撲取り、金メダルの柔道家、プロレスラー等、皆全く違う者たちだが、間違いなくその道の一流である事に変わりはない。


工藤優作はその中でも異質な存在だ。皆、何を使うかは分かっている中で、唯一力だけを使ってきた男である。喧嘩師ではあるが、格闘家ではない。ただの強い男だが、トーナメントに出場した。


トーナメントはテレビでも配信しているため、彼に敗北した人々は、彼の試合を皆が見る。工藤が負けるはずはないと。主人公である佐藤十兵衛は、工藤とは違うタイプの戦いをする男だ。入江文学の弟子で、単純な強さだけで言えば、出場者の中では圧倒的に弱い。


その彼だけが、弱さをカバーする為に、喧嘩商売の頃もそうであったが、何でも利用して勝つ男で、それを見抜いている者も僅かだがいる。


当然、最初のトーナメント出場者の枠は彼には与えられない。

そこで彼はトーナメント出場者のひとりを倒して、自ら枠を確保しようと動き出す。

トーナメント出場者は全員が強い。彼がどうやってそのトーナメントの枠を得られるのかどうかは敢えて伏せておくが、トーナメントの出場者は全員が主人公といっても過言ではない。


主人公が出場できなくても、十分楽しめる。それほどまでに個性あふれる面々である事は伝えておく。

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