第38話 強敵
アキラ「くそ、分断されたか」
分断されたメンバーは
アキラ・ギルマス・トシヤ
リリ・ジュン・シオン
である。
リリ「そっちは大丈夫?」
岩の向こうから声が聞こえてきた。
ギルマス「大丈夫だ、そっちはどうだ?」
ジュン「大丈夫です」
シオン「です」
今回ばかりは失敗したと思っている。魔法だからと油断していたのが駄目だった、洞窟の陰に隠れたが火球が洞窟に当たり崩れてきたのだった。そして、俺たちは中に取り残されたのである。
トシヤ「こんな岩俺がぶった切ってやる」
ギルマス「やめなさい」
剣を抜き、岩を切ろうとするトシヤを止めた。
ギルマス「切った衝撃で再び洞窟が崩れたらどうする気ですか?」
アキラ「言っておくが俺は守れないぞ」
トシヤが俺の方をチラッと見てきたのですぐに言葉を塞ぐ。
アキラ「おーい、リリ俺たちはこの岩をどけて出るから。火球に気を付けながら魔物をなるべくこの洞窟に近づけないでくれ」
リリ「わかった。そっちも、気を付けてね」
アキラ「わかってる」
そう言うと岩の先から足音が消えてった。
トシヤ「どうするつもりだ?」
転移魔法は何処に出るかの調整が難しいが岩をどける方法は簡単だ。
アキラ「水の魔法の高水圧で岩を削る」
これしかない
アキラが閉じ込められた洞窟の周りにはいろんなモンスターがいる。
ジュン「心細いですか?」
リリ「いえ、そんな事は、、、」
口ではこう言っているが正直アキラがいないと心細い、何というか心にぽっかり穴が開いている気分である。
シオン「大丈夫だよ。お姉ちゃん、だってお兄ちゃんだよ?」
私を気遣ってくれたその言葉は何故か信用できる。確かにそうだ私もアキラの為に頑張らなくては。
リリ「そうだね」
私は笑顔でシオンに返す。ジュンさんも安心したような顔を見せた。
リリ「じゃあ。行くよ?」
私は洞窟、、、遠くから見ると洞穴かもしれないに一番近いモンスターに切りかかった。後ろからジュンさんも援護をしてくれている。そのおかげもあり、アキラのいる洞穴には誰も近づけなかった。
しかし、ある程度倒したところで横から殺気を感じた。
それを咄嗟によけ少し距離を取る。そこにいたのは私と同じタイプの剣を持った人、、、否、死霊だ。
ジュン「気を付けて下さい。その人は数十年前にギルドの騎士団長をしていた男です」
遠くからジュンさんの声と共に魔法が飛んできた。しかし、簡単に弾き切られてしまう。確かにこれは厄介な相手である。しかも、死霊なのに全然隙が見えない。
こっちが様子をうかがっていると相手から切りかかってくる。
トシヤさん程ではないがスピードが速く何より斬撃の一つ一つが重たい。気を抜くとすぐにやられそうだ。そして、何より少しずつ押されて行っている。しかし、
シオン「頑張れー。お姉ちゃーん」
遠くからシオンの声が聞こえてくる。これは、私も負けてられない。一度相手の攻撃を流し体勢を整え反撃に移る。もう大体相手の攻撃が読めてきている。だけど、相手も私の攻撃に対応しつつあるなのでさっさと決着をつけなければならない。
しばらくして、一つ気づいたことがある、それは相手が全く疲れないという事。死霊に疲れという概念は存在しないのだろう。私は疲れで剣の速度が段々落ちてきた。その隙をつかれ私の剣は弾かれた。
私は相手の斬撃を避けようと後ろへ飛んだがこけてしまい尻もちをついてしまった。敵がその瞬間切りかかったが、その斬撃はいとも簡単に弾かれた。
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