第33話 事件

今日も気持ちよく朝を迎えることができた。しかし、ジュンが少し焦っているように思えた。

アキラ「おい、どうかしたか?」

ジュン「少しまずい事になったかもしれない」

ジュンはちゃんと足が動いているようだ

アキラ「何がまずいんだ?」

俺はリリを起こしながら、ジュンに焦っている理由を聞いた

ジュン「近くの国に数えきれない程のモンスターが向かっているんだ」

リリ「えっ?」

リリは寝おき早々驚いた。そして、近くの国というのは俺たちの故郷の事をさしているんだろう。

アキラ「どんなモンスターが向かっているとかわかるか?」

ジュン「ゴブリンキングから各属性のドラゴンまで様々だ」

探知魔法を使ってみると確かに100キロ先に群れたモンスターの反応がこちらに向かってきているのが分かる。

リリ「それって早くギルドに伝えに行った方がいいんじゃないの?」

リリは少しオドオドしている。

ジュン「いや、もうギルドには伝わっている。だから、今日の昼ぐらいに冒険者強制徴集があるようだ」

アキラ「そうか」

だけど、

リリ「勝てる可能性はどれくらいあるの?」

冒険者が全員集まって勝てる可能性は、、、

ジュン「ないですね」

だろうな

アキラ「でも、S ランクを全員集めれば少しは可能性があるかな?」

ジュン「そうですね、、、今のSランクが昔と同じくらいの強さを頬るのならありえますかね」

まぁ、それでもきつい戦いになるだろう

ジュン「そろそろ向かいましょうか?」

アキラ「お前も来てくれるのか?」

引退した冒険者であるジュンが来てくれるというのはとても心強いが、、、

ジュン「あの国は妻の故郷でもあるので」

アキラ「なるほど」


俺たちはとりあえず朝ご飯を食べ、ギルドに向かった。

サニー「あっ、アキラ様方とジュン様ですか‼」

扉を通りサニーさんはジュンを見てとても驚いた。まぁ、元Sランク冒険者だからだろう。

ジュン「久しぶりですね。サニーさん」

サニー「はい」

元担当かなんかだろうか?

サニー「で、では、こちらへ」

サニーさんに連れられた場所には今まで見たことのない数の冒険者がそろっている。そして、

ギルドマスター「集まってくれて助かる、要件はただ1つモンスターの大群の討伐だ」

ギルマスが壇上に上がり解説を始めた。

ギルマス「報酬はのちに考える」

冒険者から不満が上がる、当然だろう。冒険者は報酬で仕事を決める

ギルマス「別にこの国と心中してくれるのであれば私もあきらめよう」

冒険者の不満の声が止まる

ギルマス「成功率に関しては引退したSランク冒険者の協力もありだいぶ戦えると思われる」

それは確かに心強いが、、、

ジュン「それでも、何か心配ですね」

ジュンが小声で言う

ギルマス「では、私たちギルドも準備があるのでこれで失礼する、2時間後に平原で会おう」

その言葉を最後に解散された。

リリ「準備って何だろう?」

アキラ「住民の避難とか兵器の準備をするんじゃないのか?」

俺とリリは冒険者の不満を漏らしているところを避けながら話した。そこに追いついてきたジュンが言った。

ジュン「いえ、ギルマスの装備の準備でしょう」

アキラ「ギルマスの装備?」

ギルマスは戦うことができるのだろうか?

ジュン「知らないんですか?ギルマスはS ランク制度を作り最初のSランクに認定された最強の冒険者ですよ?」

リリ「そうなんですか」

それはすごい情報だったりする。でも、そうなるとギルマスって何歳になるのだろうか?

そんな考えを捨てるため、俺は話を変えるように

アキラ「それより、シオンはどうするんだ?」

ジュン「一緒に連れて行くつもりです」

まぁ、そうなるか。俺の防御魔法でも万が一があると守り切れない

アキラ「わかった。じゃあ、早速、、、」

リリ「平原に向かおう」

全員の意思を確認し俺達は平原に向かった。

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