第19話 盗賊

あれから一週間が経ち、俺たちはまた王様に呼ばれた。

王様「この国から東に行ったところに小さな小屋があり、そこに盗賊団員が入っていったらしいのじゃ」

小さな小屋?

アキラ「では、盗賊達の数も少ないんではないでしょうか?」

王様「いや、盗賊団は少なくとも500人は確認されとる」

どういう事だ。では、盗賊団は地下に穴でも掘ってその中で暮らしているとでも言うんだろうか?まぁ、それは見たらわかるだろう。

王様「こちらで、用意できるものなら何でも用意いたします。なので、何卒よろしくお願いします」

とりあえず、移動用の馬車と鉄、食料を用意してもらい。出発することにした。


シオン「ねー、私はアキラとリリをなんて呼べばいいの?」

シオンは馬車で移動している時にそんなことを聞いてきた。ちなみに、シオンはギルドに預けようとしたが、シオンが嫌がるので連れてきた。

アキラ「確かに、いつもは俺たちからシオンを呼んでいるから気にならなかったが。そういえば、そうだな」

リリ「シオンは何て呼びたいの?」

正直アキラとリリでいいんじゃないかと思っているんだが。

シオン「お兄ちゃん、お姉ちゃん」

何言ってんだこの子。正直びっくりである。

アキラ「なぜそうなる?」

シオン「だって、特別感を出したいもん」

シオンは少し顔を赤くしながら顔を逸らした。そんな、シオンにリリは抱き着きながら。

リリ「いいじゃない、アキラ。うれしくないの?」

まぁ、うれしいにはうれしいが。つい、ちょっと前まで殺意むき出しで話してたとは、、、

しばらくして、小さい小屋が見えてきた。

アキラ「とりあえず、探知魔法を使ってみよう」

あの小屋には、、、

アキラ「500人どころではないじゃねーか」

地下に空間が広がっている訳ではない。あの小さい小屋の中に馬鹿みたい人が詰まっている。

アキラ「こればかりは中に入って見ないとわからないな」

リリ「でも、どうやって入るの?」

そこに関しては問題がない

アキラ「俺には、認識阻害がある」

あとは、タイミングを計って入ろう。

シオン「お兄ちゃんって使えない魔法ってあるの?」

タイミングを計っているとシオンの質問が飛んでいた。

リリ「確かにアキラって大体の魔法使っているよね?」

2人の美少女に眺められるというのは悪くないんだが、質問に答えないと。

アキラ「多分、あると思う」

リリ「何その不確定さは」

だって仕方がない。

アキラ「魔法は無限のように作れる。だから、作っている内に使えない魔法はあるかもしれない」

シオン「へー、私もお兄ちゃんに魔法を教わりたいです」

リリ「いや、そもそも魔法を作ること自体ができないからね、シオン」

シオン「そうなんですか」

そうだったのか

リリ「なんでアキラまでびっくりしてるの?」

アキラ「なるほど、だからオリジナルが魔銃で使えなのか」

ここ数年間の謎が解けた。

アキラ「おい、そろそろ行くぞ」

ちょうど、盗賊団の1人が帰った来た。認識阻害を使い小屋の中に入った。

アキラ「どういうことだ?」

あの小さい小屋からは想像できないほど広い。まるで、空間そのものが歪んでいるようだ。

リリ「アキラ見て」

リリが指を指した。魔法使いっぽい服装を着ている女性が椅子に座っている。あれがリーダーか?

???「おい、勝手にここに入ってきている不届きもの、姿を現せ」

それって、俺らの事だよな。これ姿を見せなかったらどうなるんだろう

ちょっとしばらく待ってみよう。

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