第10話 迷いの森林

翌朝、トシヤが依頼してきた。迷いの森林の奥にある木の回収に向かった。

俺たちはエルフの方位磁石を頼りに森を進んでいた。

リリ「本当にすごいね、その方位磁石こっちなんてほら」

リリはグルグル回っている普通の方位磁石を俺に見せてきた。

アキラ「この方位磁石は古代エルフ族と一緒に作ったらしい」

トシヤは説明が少ないんだよ。リリはまた驚いている。そりゃあそうだ、古代エルフって今は絶滅種族なんだよな。

古代エルフとエルフは使う魔法が違う、エルフは精霊魔法で古代エルフはそれ以外全部使ってたらしい。

アキラ「ほかにトシヤについて聞きたいことはあるか?リ、、リ?」

俺がリリに話をしようとしたときリリの姿がなかった。

アキラ「リリ‼リリ‼どこだ」

非常にやばい、エルフの方位磁石は俺しか持ってない。俺がリリから目を離したりしたから。

とりあえず、落ち着けトシヤが言っていた

トシヤ「森林で仲間と離れたときは、、、」

そうだ。

俺は方位磁石の上についている、ねじを捻った。

その時、方位磁石から物凄い轟音が響いた。頭が割れそうなほどうるさい。防御魔法を耳に展開しても一瞬で破壊される。

まわりを見ると風景が歪んで見える。霧に幻影のようなもの映っているようだ。

耳を抑えながらリリを探すと前の方から耳を抑えながらこっちに走ってきてるリリの姿が見えた。何か言っているようだが全くわからない。

リリの手を掴んでから方位磁針の音を止めた。すると、また霧が立ち込め元の森林に戻った。

アキラ「リリ怪我はないか?」

リリ「うん大丈夫」

リリの状態を確認していたらリリは俺に抱き着いてきた

リリ「怪我はないけど、とってもさみしかったよ~~」

怪我はないけど心の怪我をおったようだ。俺も実はとてもさみしかった。

短い時間であったけど、ここではそんな事言ってられない。なぜなら、ここは、一度はぐれると基本的会えない迷いの森林なのだから。


しばらくリリと抱き合ったあと手をつないで移動しだした。また、はぐれる訳にはいかないから。でも、やっぱり少し照れくさい。

リリ「そういえば、さっきの音って何だったの?」

リリは少し赤い目をしながら聞いてきた。失礼だがその、リリもまたかわいらしいのである

アキラ「マンドラゴラを加工して作ったものらしい」

リリ「なるほど」

声を聴くと死んでしまうマンドラゴラを死なない程度に音が出る機械に変えてしまう古代エルフは何者だろうか?

リリ「アキラ!あれ見て」

リリが急に声をあげ、指を指している。俺もその方向を見ると、光が微かに見える。

俺たちがその方向に走っていくと、そこにはとても幻想的な光景が広がっていた。

リリ「アキラ見て見て泉がある」

リリはさっきまでが嘘のようにはしゃいでいる。

アキラ「リリ、遊ぶのは木を採取してからね」

リリ「はーい」

俺はリリが遊ぶのを止め、木のある場所に向かった。

アキラ「うん、絶対これだろうな」

あきらかに周りと違う木がある

アキラ「リリ、ちょっと切ってみて」

俺は斧をリリに渡してみた。

リリが振りかぶって斧を当てた。しかし、木には傷一つ入っていない。むしろ、斧が少し欠けている。

リリ「これ固い」

リリは手がしびれたようだ。仕方ない初めて使うがエンチャントしてみよう。

俺は、欠けた斧を治しエンチャントをかける。エンチャントは物に魔法陣を書き込み強化するもの正直少しミスれば効果がない。俺は慎重に魔法陣を書いた。


アキラ「できた」

我ながらいい出来では?リリに渡してみた

リリが振りかぶり斧を当てる。少し傷が入った。これなら、

俺はリリに肉体強化をかけた。リリが斧を振りぬくと一発で切れた。

リリ「楽しいね。これ」

リリは楽しそうに木を次々と切り倒した。50本くらいでいいのでリリが50本切ったところで止めた。木を収納した。リリはいつの間にか、水着に着替えていた。何故持ってるんだろう。肌面積の少ないその水着は景色と一緒に見るととても芸術的である。

リリ「アキラも遊ぼうよ」

リリが俺を呼んでいる。何故か俺の水着も持っているようだ。しかたない俺も遊ぶとしよう。

俺たちは日が落ちるまで遊んだ。

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