第9話 親
トシヤの店を出て近くのベンチに休んだ。
リリ「アキラの周りってすごい人ばかり集まるんだね」
親父はすごいと思うがトシヤの事は知らなかった。
アキラ「すごいのは親父だよ」
親父は顔が広いというかコミュ力が高いというか
リリ「そういえば、アキラのお母さんとは仲いいけどお父さんは見たことないね」
アキラ「そうか、リリは親父が冒険に行っている時に遊びに来てたもんな」
仕方ない、少し昔話をしよう。
俺の親父 雨宮 和也(アメミヤ カズヤ)は元A級冒険者だったらしい。母親に聞いてもギルドの人に聞いてもそれが本当だったかはわからないからだ。しかし、子供の頃よく、俺はA級冒険者だからなって笑ってた。
そんな親父だが腕は確かだ、親父が一回だけ狩りに連れてってくれた。森の奥深く、親父はリリが持っている剣より短いショートソードを背中に下げていた、俺は親父の後ろにくっついていた。
親父が行った先々に猪や鹿がいた、まるで親父に動物が集まってくるように。親父は俺が見えない速度で動き速攻で仕留めた。当時の俺はそこらへんの冒険者の動きは目で追えたし、動きにもついていくことができたんだが親父には一度もついていくことも見ることができなかった。ただ、動物の死体だけが残った。今思うと、動物の死体はどこを切ったかわからないぐらいとてもきれいな状態だった。
唯一、親父が驚いたのは俺が魔法を使える事ぐらいだろう。それは、俺は動物を収納していた時、親父に見られた時の話だ。
しかし、親父についていったら親父の足が止まった。俺は親父が見ている方向を見るとでっかい熊が立ってたんだ、悲鳴があがりそうになった時、親父が俺の口を押えた。熊は俺の前で威嚇している。もしかしたら、あれは親父に威嚇していたのかもしれない。
親父は落ち着いてきた俺に、見ておけよって言って熊の方に向かった。そしたら、親父の周りに火球が現れ、剣と合体した。今、リリの剣にやっているのと似ているものだな。
熊は親父に襲い掛かり、それをよけ首を切ったと思う。そして、俺たちは家に帰った。
アキラ「そんな感じの男だよ、親父は」
俺は親父について話した。
リリ「簡単に言うとお父さんは私たちが二人でやっていることを1人でやっちゃう、凄い人って事ね」
そうだな。
リリ「アキラのお父さんの友達がやばい理由がようやくわかったわ」
リリは呆れた顔でそういった。今ので何がわかるのか俺には理解できなかった。
リリ「今度、お父さんに会わせてよ」
リリの提案に俺は
アキラ「親父は俺と狩りに行った次の日に冒険に行き、そのまま帰ってきてない」
リリ「なんで?」
それは俺も知りたい
アキラ「わからない。けど、母親は大事な物を取りに行ったって笑ってた」
あの日から結構経つが今でも母親は笑顔で心配はしていない
アキラ「あの人は死なないってさ」
リリ「仲がいいのね」
どうだか
アキラ「さて、親父について話たし、そろそろ家の話に戻っていいか?」
親父の話はもう十分だろう
リリ「うん」
アキラ「家の材料の木は迷いの森林の奥にある。そのクエストは明日トシヤに頼んで、依頼してもらう、分かったか?」
リリ「うん」
本当かね?まぁいいや。とりあえず、
アキラ「俺は今からトシヤのとこに戻って話をしてくるがリリはどうする?」
リリ「私はこれから用事があるからいいや」
ならいいや、と俺たちは別れた。
リリは道具屋の方へ歩いて行った。俺はトシヤに話を聞きに行こう。
アキラと別れ私は道具屋に来ていた。その理由は、
リリ「アキラのローブボロボロになっちゃったから新しいの買いに来たけど、どれが似合うだろう?」
本当はアキラと一緒に選びたかったが仕方ないので、私のセンスで選ぶことにした。
リリ「いつもは黒を着ているけど、ちょっと変えて紺色とかにしてみたらどうだろう?」
そんな、誰も聞いてない1人事をして紺色のローブを手に取ってイメージをする。かっこいいな。よし、これにしよ。
私は商品を持ちアキラの喜ぶ顔を思い浮かべながらレジに行った。
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