第8話 物件

翌朝

俺は目が覚め体を起こした。100パーセントではないが、かなり疲れが取れた。

もう、すでにリリは起きているらしくいい匂いがしてきた。

テーブルに味噌汁とご飯、サバの味噌煮が置いてあった。朝から手間のかかるものを作ってくれる。

リリ「アキラおはよ、今日はアキラの当番なのに遅いから作っちゃたよ」

そういえば、確かに今日は俺の当番だ、ぐっすり眠ってしまっていたようだ。

アキラ「ごめん、今日の晩御飯と明日の朝ご飯を作るよ」

リリ「うん」

リリは嬉しそうに返してきた。

俺たちは、椅子に座りサバの味噌煮を食べた、サバの味噌煮は肉厚で味噌の味がご飯を掻き込むと、とても合う。


すぐに食べ終わり、リリは準備をしている、俺もいつもと違う服を着ているが準備はすぐに終わった。数分後、リリの準備が終わったのか部屋から出てきた。

アキラ「なっ‼」

俺がリリの姿を見たとき

リリ「変かな?//」

リリは少し照れくさそうに聞いてきた。

アキラ「変なもんか、むしろ可愛すぎて死ぬところだったよ」

おっと、心の中にとどめておくつもりがつい声に出してしまった。リリに変だと思われていないだろうか。

リリ「ありがと//」

リリは照れくさそうに回答した。人は服でこんなにも印象が変わるのだな。


宿を出て、大工のところに行った。大工に家の完成図を見せてもらうためである。

店に入ると大柄なおっさんが出迎えてくれた。

???「いらっしゃ、なんだアキラじゃねいか」

なんだとはなんだ

リリ「知り合い?」

アキラ「リリには教えてなかったね?俺の親の友達の秋竹 俊哉 (アキタケ トシヤ)だ」

トシヤ「おっ、アキラに遂に彼女が、、、‼」

アキラは意外そうな顔をしている、リリはリリで顔を赤くしている。

アキラ「そんなんじゃねーよ。今日は家を見に来たんだ」

俺は早く家が見たいので話を先に進めた。

トシヤ「家?その若さでもう家が建てれるのか?」

アキラ「違う違うつまり、、、」

俺はトシヤにすべて説明した。

トシヤ「なるほど、とりあえず分かった。ほれ、これが完成図だ」

そう言い、数十枚の紙を出してきた。

リリ「わー、すごいいっぱい」

トシヤ「オリジナルからどんどん派生していった結果だよ」

すげーなほんと。俺たちは紙を一枚一枚見ていった。


なかなか良いのがないな、そう考えていると、リリが俺の服の袖を引っ張った。

アキラ「ん?」

リリ「これなんかどう?」

リリが持ってきたのは原木を使ったログハウスである

アキラ「リリが気に入ったのだったらそれにしよ」

リリ「うん」

実に嬉しそう、まるで子供のようだ。

アキラ「トシヤ、これってどれくらいかかるんだ?」

トシヤ「ん?あー、それはだな、、、」

まあ、予想していたみたいに高いな。そしたら、

トシヤ「材料の原木を取ってきてくれるなら、これの半額くらいにしてやるぞ」

トシヤがそんな提案をしてきた。

アキラ「どこの木だ?」

半額くらいになるのであれば目標達成に近づける。

トシヤ「迷いの森林を抜けた先にある場所に生えてるぞ?」

なんか普通ではない場所が聞こえたんだが

リリ「迷いの森林なんて抜けれるの?」

うん、俺もそれが気になった、迷いの森林は冒険者が入ったら大体が死んでいる。

アキラ「トシヤ、迷いの森林に入ったことがあるのか?」

俺はトシヤを馬鹿にするように言った、これで嘘とかだったら少ない毛を燃やしてやる。

トシヤ「何言ってんだ、あるに決まっているだろう。元S級冒険者をなめるなよ」

アキラ&リリ「はっ!?」

トシヤが元S級冒険者何かの間違いでは?

リリ「あの、何か証明できるものってありますか?」

リリは敬語になりつつ、トシヤに聞いた。

トシヤ「ほら、冒険者ライセンスだ」

飛んできた紙にはS級 トシヤと書かれている。まじ、じゃねいか。

トシヤ「迷いの森林にはこのアイテムがあれば抜けれるぞ?」

勝手に話を進めていくトシヤは方位磁針を取り出した

アキラ「なんだそれ?」

ただの方位磁針ではないことがわかる。俺はとりあえず落ち着いて聞いた

トシヤ「エルフの方位磁針だ」

伝説のアイテムの一つかよ。聞いたことがあるがまさか実在したとは

アキラ「どうやってそのアイテムを?」

トシヤ「俺が作った」

まじで無茶苦茶だこのおっさん

アキラ「じゃあ、それをくれるのか?」

トシヤ「あぁ、別にいいぞ」

くれたよ、まじか。というか、リリがパンクしかけている。

アキラ「いろいろ聞きたいことはあるが、取ってくるよ」

トシヤ「あぁ、行ってきてくれ。またいつでもどうぞ」

俺たちはその会話を最後に店を出た。

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