第5話 攻略
俺たちは気球に乗り、馬車だと数日かかる道が数時間でついた。
リリは少し酔っているようだが、大丈夫だろうか?
アキラ「リリ、大丈夫か?」
俺の質問にリリは、口に手を当てながら
リリ「大丈夫だと思う」
顔色が少し悪そうだから。軽い回復魔法をかけておこう。
リリの顔色が少し回復した事を確認し、俺たちは目的地に向かった。
リリ「新しい土地ってワクワクするよね♪」
さっきと違いテンションが高いリリはルンルンで俺の前を歩いていた。ちなみに俺は、リリのテンションに合わせながら半径5キロくらいに探知魔法を張っていた。
しかし、あれから10分くらい歩き続けているが大猪らしき影は見えない、一応、小さい猪はいるのだがこれは食材として確保しておこう。
そんなこんなで、1時間が経過した頃、
リリ「アキラ、お腹すいた」
リリがそんな事を言い出した。確かに、もう昼ごはんの時間である。いつもは携帯食を口にするが今日は猪があるのでこれを食べることにした。俺は川を探し、手頃な岩を見つけ、リリに枝を取ってきてもらった。
火球でも肉は焼けるが微調整がきかない為である。
俺は、猪の肉を串で刺し、弱火でじっくり焼いた。焼けた肉をリリに渡し、リリは豪快に食べた。
リリ「美味しい!少し癖があるけど牛や豚とはまた違う旨味がある。」
リリが食べているのを見ながら俺も肉を食べた。確かにうまい、また、料理のレパートリーが増えそうである。
猪肉を腹一杯食べ、また俺たちは森を歩き始めた。
また数十分が経過し俺たちは頭を悩ました。
リリ「大猪なんていないんじゃないの?」
リリがそんな事を言い出し俺も正直そう思う。
アキラ「一旦、気球に帰ろう」
俺は、収納している猪を荷物置きに置きたいからだ。
リリ「仕方ない、そうしましょ」
リリは少し残念そうに肩を落としながら気球がある方向に歩き始めた。
1時間かけ気球に戻り荷物置きに猪を置いた。
リリ「本当便利よね、その魔法」
その魔法とは収納魔法の事だろう。
アキラ「そんなに便利じゃないよ、制御をミスれば中の物が半分くらい無くなるし」
リリ「そうなの?人とかは収納できないの?」
何故そんな事を聞いてくるのか、俺は疑問だったが
アキラ「魔力がバカみたいな量あれば出来ると思うよ。まぁ、俺にはそんな事出来ないけどね」
そう答えると、リリは
リリ「ふーん、そうなんだ」
意外そうな表情をしながらリリはまた森の方へ歩き出した。俺も全部の猪を置き、リリについて行った。
5分くらい歩いて、ある事に気が付いた。
リリ「なんかここ、木がないね」
リリも異変に気が付いたようだ。そう、何故かここには木がない、人が切り開いた訳でもないのに、森が削られているのである。
俺たちは道に沿って歩いて行った。
そして、洞窟にたどりついた。洞窟からはただならぬ気配が感じとれる。
リリ「アキラ、入るわよ」
リリが緊張した面持ちで洞窟の中に入っていった。
俺もその後ろについていき暗視の魔法をかけつつ入った。
奥に入ると微かに寝息が聞こえた。寝息の方に近づくと、そこには俺たちが狩っていた猪の2倍くらいの大きさの猪が寝ていた。
リリ「アキラ、準備しなさい」
リリが俺に指示を飛ばしながら、剣を抜いた。俺もリリから少し距離をとり、風の魔法を準備した。
寝込みを襲うのは少し卑怯な気がするが、仕方がない。
リリは大猪に切りかかったところに風魔法を放ち大猪はバラバラになった。
アキラ「クエスト完了だね」
帰ってきたリリに声をかけると、少し納得のいかない顔でリリが、
リリ「うん」
アキラ「どうしたの?」
俺が聞くと、
リリ「あいつ、弱すぎない?」
リリの疑問は大猪が弱い事だった、確かにあいつはそこらの猪と同じくらい弱いけど、
アキラ「寝ているところを襲ったからじゃないのか」
そう俺は結論づけている。
リリ「そうかな?」
アキラ「そうだよ」
リリを納得させると俺は洞窟の外に出ようとした。その時、
リリ「アキラ、危ない!!」
リリの答えが聞こえたと思うと横から何かが突っ込んできた。
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