第3話 敵

ギルドに着き俺とリリは担当の受付嬢であるサニーさんに話をした。

サニーさんはベテラン受付嬢で、エルフ族の人らしい。この国の事を昔から知っていて、もう500歳だと言っているがまだまだ若いそうだ。ちなみに魔法使いは凄いと言っている人の一人でもある。

サニー「アキラ様、リリ様今日はどのようなクエストをご所望で?」

サニーさんはいつも通りの様子で俺たちに声をかけた。

アキラ「ストーンゴーレムでお願いします」

サニー「ストーンゴーレムのクエストですね、承諾しました。あと、クエストクリアされた後に、B級昇格の手続きをしますのでご了承ください」

リリ「わかりました。覚えておきます」

俺たちは会話を終えギルドを出た。


ここは山岳地帯。ストーンゴーレムの素材が欲しいと言う鍛冶屋のお願いだ。

ストーンゴーレムは名前の通り石でできていて硬い、どれくらいの強度か楽しみである。

そんな事を考えていると下からストーンゴーレムが出てきた。

アキラ「リリ行くよ!」

リリ「了解!」

その会話を後にリリは真っ直ぐストーンゴーレムに突っ込んだ。

ストーンゴーレムには傷が少し付くだけだった。やはり、少し硬い。

ちなみに、俺はリリに防御魔法を常に展開してリリの速度上昇の魔法をかけたぐらいだ。火の魔法が効かないから仕方がない。

ストーンゴーレムが腕を上げ叩きつけた。

その動きを見たリリは後ろに下がった。

リリ「あれやっぱり硬い」

顔が真剣そうに見えるが実に楽しそうだ。

リリ「アキラ、あれやって」

リリが言ったあれとは多分これかな?

そう思い、俺はリリの剣に水の魔法をまとわせた。正確に言うと、水が刀身に合わせて高速で回転しているものだ。

リリ「ありがとう」

リリは感謝を伝えると、ストーンゴーレムにもう一度突っ込んだ。

今度はストーンゴーレムを切る事が出来た。

リリはその状態でどんどんストーンゴーレムを切って行った。やっぱりリリは俺なんかよりも凄いな。

リリは満足したように帰ってきた。まるで、子供のように。

アキラ「リリ、お疲れ。どうだったストーンゴーレムは?」

リリ「楽しかった。やっぱりアキラの魔法はすごいね」

笑顔でそんな事を言ってくれる。俺の報酬はいつもこれだ。

俺はストーンゴーレムの残骸を魔法で浮かせ荷台に乗せた。正確にはストーンゴーレムで採れる鉱石を乗せた。

アキラ「今日は、早く終わったな。これもリリのおかげだよ」

時間的には昼過ぎくらいである。

リリ「そうかな〜」

とても嬉しそうである。

アキラ「そうだよ」

そして、俺たちはギルドに帰る事にした。


ギルドに帰りストーンゴーレムの残骸を渡しB級の称号を貰った。B級になるとクエストの難易度が上がりその分報酬も増える。少し貯めたら、家も買えるかも。

夕暮れ時、俺たちは買い物に来ていた。

リリは晩御飯の材料を買いに行き、俺は道具の買い足しをしている。まぁ、買い足しと言ってもリリの剣を研ぐための砥石と剣が折れた時の予備を作る為の鉄と俺のローブが小さくなってきたのでローブを買いに行くだけだ。ちなみに俺のローブは魔物が認識しにくくなっている。

買い物を終え、リリとの集合場所に向かっていると路地の中に引っ張られた。

⁇?「お前には死んでもらう」

とんだ、殺人鬼がいるもんだ。フードで顔が見えないが俺にナイフを突き刺そうとしている、正直怖いが。俺はナイフを防御魔法ではじき、魔法を使い建物の上にあったたまたまあったレンガを落とした。レンガは殺人鬼の頭にあたり殺人鬼は倒れた。俺は、殺人鬼が息をしているかを確認し逃げる事にした。

リリの近くにきてようやく安心した。

リリ「何かあった?」

リリは心配しているようだ。俺はリリを安心させるため

アキラ「何もないよ」

リリ「そっか」

しかし、最近よく変な連中に絡まれることが増えてきた。

まぁ、そんな事は置いといて俺たちは宿に帰る事にした。

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