第4話 『津田梅子~お札になった留学生~』感想・津田梅子さんの晩年は寂しくない

 津田梅子さんの晩年シーン。

「あれじゃ女性は独身だと最後寂しいよというみたい」というご不満を拝見したので、補足します。


 梅子さんはドラマ冒頭の昭和のシーンだと、枕元に薬と薬飲みとランプがあり、本に囲まれて一人で暮らしているように見えたかもしれませんが、梅子さんは晩年に津田眞さんを養子にもらっています。梅子さんの弟さんの子です。


 現在、津田家を継いでいる津田直さんはその眞さんの孫にあたります。

 詳しく言うと、眞さんの娘さん・あい子さんの次男で、その後、2000年に祖父である眞さんと養子縁組をして、津田家を継ぎました。


 ちなみにあい子さんの旦那さんは西郷隆盛さんのお孫さんなので、津田直さんは西郷隆盛さんの曾孫でもあります。


 もう一つついでに言うと、内田有紀さんが演じた津田梅子さんの母・初子さんは幕臣の次女なのですが、初子さんの姉の竹子さんは田安徳川家の側室となり、徳川宗家16代目・徳川家達の母となっているので、津田梅子さんは徳川家達のいとこにあたります。


 独身だから無縁というわけではありません。

 親戚もいますし、それに津田梅子さんは津田塾の学生さんたちも多く周囲にいたことかと思います。


 晩年の部分が駆け足だったため、ちょっといろいろとよくわからないという意見もあったようです。


 今回のドラマは若りし頃の津田梅子さんの話だったため、その後の功績が見えづらく「自己主張の強いわがまま女にしか見えなかった」とか「いつもイライラしてる刺々しい人」という印象を抱かれた方もいたようで、その点は惜しいところです。


 梅子さんが刺々しく見えるのは、これは当時の男子留学生も同じで、海外との違いや、自分が学んできたことを生かせない焦燥感でイライラしてるというのは留学組の多くにあった点なのですが、そこをバネにした功績の部分が早足だったため、そういう印象になってしまったのかもしれません。


「もっと女子教育に頑張る姿を見たかった」「二度目の留学こそ見たかった」という二夜連続で後半があったら良かったのにという声はもちろんのこと、「一度目の留学がどんなものかもっと見たかった」という声もあったので、今度はもっと長いドラマで津田梅子さんのお話を見たいですね。

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