第41話 ガタンゴトン

 窓から外を見るとたくさんの景色が流れては見えなくなる。大体1時間ぐらいで東京に着くだろう。後輩ちゃんのために何かお土産でも買って帰ろうか。お土産といえばなんだろう。東京バナナとかか?まぁいい、後でなにがいいかを聞いてみるか。




 昨日から1日ほど経過し、今日の分のメニューを笹目さん達に渡して僕は東京に向かう。会議に出席するためだ。それから話を聞いて、メンバー(僕はほぼ確定)を決めて、探索者協会に帰る。うーーん、やっぱり後輩ちゃんに行かせてよかった気がする。僕が行く必要性がメンバー同士の顔合わせだけ、大体の作戦は本部の人間が考えるだろ。僕の名前を出したら全員がどんな奴かを察すると思うけどな。


 新しいダンジョンの探索や、能力者の制圧などは基本的に決まったメンバーで行うことはない。パーティーを持つ探索者も多くいるが、周辺のダンジョンからダンジョンの中身の傾向や、どんな能力者かどうかの情報により、個人戦力とダンジョン内で必要不可欠な能力を持つベテランが採用される。どれだけ連携して討伐するかではなく、調探索。いうならば戦闘をしなくてもいい。未知の空間を調べるために一番生存確率が高い方法を考えるのだ。

 そのためにはメンバーの能力やどのような戦闘方法を知らなければ背中を任せられない。


 最近はメシアによってダンジョンが作られ、新しくでくるダンジョンは軒並み探索するのが難しい。この前のメガロタワーのダンジョンは蟲が大量に出て、その前のダンジョンは中身が水で満たされていたので改めてメンバーの再編成をした。なので大体メンバーに選ばれる人は決まってきていたりする。選ばれるのが峨々やキララのように昔、探索した人間だったり、日本のトップ層の人ばかりだ。

 僕の実績は海外ばかりだから日本ではあまり有名ではないが、さすがに僕のことは知っているだろう。……僕が相手のことを知っているかは知らないが。うーん、めんどくさい。

 ぐちぐち行っても仕方がないか。

 笹目さん達は運が悪いな、明日か明後日ぐらいにメシアの拠点に襲撃をするだろうし、ダンジョンの攻略とぎりぎり被らないぐらいか?全く最近は忙しいものだ。

 そういえば、この前ダンジョン内で見つかった異世界の少女(仮)はどうしているだろう、本部の方に連れられたから出会えるかもしれないが、そこまで期待はない。話がわからないのだから、特に話を聞き出せはしないだろう。本部の連中は色々と頭がおかしいのが多いから、向こうの言語を解読してそうだけどな。

 まぁ、1ヶ月も経ってないし、翻訳に3年ぐらいはかかりそうだもんな。

 外を見ると気持ちがいいぐらいに晴れていた。

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