第13話 KAC202211 日記


 とりあえず、固有名詞でなかったことに安心しました。


 しかし、「日記」は、少し困った。


 現在進行形の状態で、設定上、紙の無い世界で、有るのは羊皮紙だけなので、高額な羊皮紙に日記をつけるのかとなった。


 石板に日記というのもおかしなものだ。


 この世界で日記となったら、誰が書けるのかとなれば、高額な羊皮紙を購入できる人達となると、上級貴族、皇族、商人の類いになる。


 高額な羊皮紙を使って、趣味のような日記を書ける人は、限られてしまう。


 フィルランカ達は、学校でノートではなく、石板を使っている。


 基本は、記憶するための道具となる。


 フィルランカ達が、日記を付けるなんて事はできない世界である。




 話が、もう少し進めば、日記を書ける人も出てくるのだが、今のところは、日記は、贅沢品となるだろう。


 日記を書ける人の可能性となったら、皇帝か皇太子、それか、宰相の誰かとなる。


 あとは、皇女のリズディア、商人であるイスカミューレンとイルルミューランの親子となる。


 ただ、重要性が増すなら、皇帝の日記となる。




 初代国王であるツ・エイワン・クインクヲンは、建国当時は、国王と妻子も含めて全員で建国に当たっていたので、ツ・エイワン・クインクヲンの日記というのは、可能性が低い。


 有れば、帝国の至宝となっているだろうから、皇族でも無闇に閲覧できない物になってしまうだろう。


 可能性として建国後364年となるなら、少なくとも300年は経っている。


 有ったとしても、写本が残っている程度だろう。


 有ったとしても、読む事ができない日記を、新たに複写して残す作業になるが、皇族で複写させるとは思えないので、複写の話で4000文字を持たせるのは、キツそうである。




 街道の警備により、北の王国と南の王国を結ぶ、最短の街道を整備して、強い魔物の土地に、農産物として、穀物の輸出で伸びている国が、帝国なので、国として経済的に安定し始めるのは、建国後数十年後から、100年後となる。


 日記が存在するとなったら、この辺り以降になるだろう。


 それ以降の皇族なら、ツ・バール国を大ツ・バール帝国に改名した一つ前の第20代皇帝のツ・エイデル・リョウリンか、改名と国王を皇帝とするように進言したツ・エイデル・リョウリンの父である、第11代宰相のツワ・リンデル・リョウクンあたりとなる。


 この改名は、帝国の建国後305年になる。


 第19代国王は、成人前に他界しており、第19代国王の姉の婿であり、ツワ・リンデル・リョウクンの三男であるツ・エイデル・リョウリンが、第20代国王となり、国名を、ツ・バール国から、大ツ・バール帝国に改名させ、国王を皇帝とし、国民を臣民と呼ぶようにさせた。




 この当時の事をツワ・リンデル・リョウクンの日記としての記録を書いてもと思うが、ここから、どうするかになる。


 日記を書くことにするか、その日記を読むことにするか。


 死んだ人の日記なら、読んでも構わないだろうし、帝国宰相の日記なら、歴史を垣間見ることができる。


 それを読む人となったら、第22代皇帝となることを指名されている皇太子のツ・リンケン・クンエイあたりがちょうど良い。


 国名の変更、皇帝、臣民に変更した由来、……。


 ただ、これだけだと、日記の話だと少し弱い気がする。


 現在の、第21代皇帝である、ツ・リンクン・エイクオンから渡されるとして、帝国のシステムとして、情報部門である兎機関の必要性を日記の中に書いてあるとすると、現在の帝国に大きな影響を与えた日記として扱えることになる。


 それを一つの物語として、成り立たせたらどうだろうか?


 話として、私自身からしたら、面白そうに思える。


 設定における、大ツ・バール帝国の在り方も、もっと、明確にすることができるので、都合が良いのかもしれない。


 日記としての話なら、この辺りを中心に書いていけば、話としてまとまりそうだ。

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