第6話

 怖くて、あれ以来萩乃はぎのと連絡取ってない…。

 友達として、恋愛対象として、どちらとして…。

 とりあえず、連絡を取ろうとするのが一番いいのだろう。お互いに…。

「とりあえず、買い物行くか…」

 ぼんやり考えながら歩いていると、

「あ」

「あ…」

 想っていたヒトに会ってしまった…。それで答えが出た。出てしまった…。

「おはよう」

「おはよう…」

 会釈して足早に去ろうとした萩乃に、

「待って」

「待ちません…」

 そう言って、私の手を振り切った。

「どう好きなのか、まだわかんなくて…」

「うん…」

 逃げる萩乃を追いかけるように早足で、息切らしながら、

「今言えるのは、萩乃を失いたくない…」

「酷い…」

 あの時の別れの言葉が、ふと頭をよぎった。

 萩乃のことを考えると、確かに酷いことを言っている。でも、これが今の私の気持ちだから…。

「でも、考えてくれてありがとう…」

「当たり前でしょ。萩乃は…大切なヒトだから…」

 独り言のように言った言葉は、萩乃に伝わり強引に捕まえた体を許してくれた。

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OVERLAP @tamaki_1130_2020

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