第6話
怖くて、あれ以来
友達として、恋愛対象として、どちらとして…。
とりあえず、連絡を取ろうとするのが一番いいのだろう。お互いに…。
「とりあえず、買い物行くか…」
ぼんやり考えながら歩いていると、
「あ」
「あ…」
想っていたヒトに会ってしまった…。それで答えが出た。出てしまった…。
「おはよう」
「おはよう…」
会釈して足早に去ろうとした萩乃に、
「待って」
「待ちません…」
そう言って、私の手を振り切った。
「どう好きなのか、まだわかんなくて…」
「うん…」
逃げる萩乃を追いかけるように早足で、息切らしながら、
「今言えるのは、萩乃を失いたくない…」
「酷い…」
あの時の別れの言葉が、ふと頭をよぎった。
萩乃のことを考えると、確かに酷いことを言っている。でも、これが今の私の気持ちだから…。
「でも、考えてくれてありがとう…」
「当たり前でしょ。萩乃は…大切なヒトだから…」
独り言のように言った言葉は、萩乃に伝わり強引に捕まえた体を許してくれた。
OVERLAP 環 @tamaki_1130_2020
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます