第5話

「お疲れ様」

「お疲れ様…」

 萩乃はぎのは何か言いたげに、バイバイと手を振った。

「萩乃、どうしたの…?」

 そんな顔してたら、帰せない…。

「帰るね」

「いやいや、ちょっと待て。待て…」

 帰ろうとする萩乃を強引に、どこかしらを掴む。腕。脇腹…。とか色々。

春木はるきこそ、どうしたの…?」

「ごめん…」

 最終的に抱き締めているのは、こうでもしないと帰ろうとするから。

「私、春木のことが好きだよ」

「うん…」

 頷いて、我に返る。

「え?!」

「下心ありき、で」

 万遍の笑みで言う萩乃に、

「それって…」

「コイビトになりたいってことだけど?ダメかな…?」

 どこかに、カメラ仕掛けられてませんか?監視カメラ以外のものが…。

「ドッキリじゃないよ…?」

「うん…」

 いつから?

 私も、好きなんだけど?

 色々、言いたいけど…。言えば、もう後に引けないことは分かってるから、何も言葉が出て来ない…。

「少しでも可能性があるなら、考えてよ…」

「わかった…」

 任せな。と言って、萩乃と別れた。

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