第17話 初めての転職をした
バノッサさんから追加で教わったのは、
MP14じゃ難しいの言われたのでステータスを見せる羽目にはなったけど。
……また妙な伸び方をしていて、難しい顔をされることに成った。
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名前:ワタル・リターナー
状態:健康(18)
職業:
レベル:10(ボーナス:9)
HP:10
MP:35 → 51
STR:12
VIT:13
INT:27 → 36
DEX:10 → 11
AGI:11 → 12
ATK:11+20
DEF:1
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昨日の狩りでまたMPとINTが伸びてる。限界まで使って回復してを繰り返しているからだろう。
これまで動きのなかったDEXが伸びているのは……多分、身体強化した状態で蠅と戦ったからかな。強化された肉体をうまくコントロールするのはなかなか難しかった。
ギルドの縛りがあったりしないのかと聞いたところ、最近はこうして街中で回復屋をやる人が減ったらしい。教会の治療費より安くないと客がつかないから、拘束時間の割には美味くないそうだ。
この町の相場は、
……集合知の情報と比べるとだいぶ安い。信仰を集めるために教会が治療費を下げたせいだな。
『しばらくはこの街に居るから、なんかあったら呼んでくれ』
バノッサさんはそう言うと足早にギルドへ向かっていった。人の素質を覗き見るために使っていた『才幹の水晶』を購入した際の借金が溜まっているらしい。しばらくは片っ端からギルドの依頼をこなすそうだ。
……しまった!時の賢者の話、金で売った方が早かったんじゃね?
……無理か。天啓様が頑張ってくれればともかく、胡散臭い話だしな。
とりあえず、回復屋は冒険者たちが返ってくる午後からにして、昼の間は凪の平原に出かける。その前に転職だな。
「すいません。
「ん、ああ。
一般職ギルドの転職神殿に行くと、さいの目に切られた区画に、ずらりと祭壇が並んでいた。
神様を祀る祭壇の列。信仰が厚い所は自分たちの教会や神殿を持っていたりするけれど、多くはこの転職神殿だけにスペースがとられている。
……信者がいないところは大変だね。
「
言われた通りの紋章。
魔術や技術はまた別。……バノッサさんが弟子にバラまいてたのは6属性判別の水晶球だろうから、かなりのお値段だったろうなぁ。
「ええっと……力強き
男神像の前で祈りをささげると、後光とともに足元に魔方陣が浮かび上がって、消えた。
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職業:
レベル:1(ボーナス:9)
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よし、転職完了。
「ええっと、神様?神様?システムアナウンスをONにしてください」
『……交渉求む。負荷大』
「いや、なんか集合知に情報ありましたけどね。アナウンス無いといつレベルが上がったとかわかんないんですよ」
こっちの世界にやってきて名前を決めた時以降、全くアナウンスが流れていない。
あれ、レベルだのスキルだのと言った情報を周知させるシステムなのに、どうもデフォルトではOFFに成ってるらしい。
職業システムがこの世界に導入された時はONで、レベルアップしたりスキル覚えたりするたびに
そこで各職業の知識が広まった500年ほど前を境に、その時生きている人の中で最上位系統の職で勝つレベルが最も高い人以外はアナウンスが出ないように調整したらしい。
手抜きもいいとこだ。
代わりに、条件を満たした場合、同じ職業の人には全員アナウンスが流れるっぽい。そして人類で初めてそのレベルに達した場合は、人類全体にアナウンスが流れる。
『ワタル・リターナーが
「そっちが無理やり送り込んだんだから、専任一人くらいつけてください。それで何とかなるでしょう」
『……集合知の編纂に支障』
「出さないでください」
『神使いが荒い』
「人のこと言えた義理ですか。俺だけなら大して支障ないでしょう」
『……善処する』
……ほんとに大丈夫だろうなぁ?
多分、神様側にも色々な制約があるんだろうけど……全裸で放り出された恨みは忘れてないからね?
□凪の平原□
街からある程度離れた人気の無いエリアで、いつも通りに狩りの準備を始める。
まずは同時に襲われないように、見通しの良い所に陣取って目に付く魔物を狩る。ついでに今日は草刈も。ちょっと雑草の背丈が高い。
「さて、いつも通り鶏ガラを放り投げて」
「
一撃で吹き飛ばして完了。
そうやって3匹目を倒したところで
『レベルが1上がった。HPが1上がった。スキル:
システムさんによるアナウンスが流れた。
「よし来た!ようやくこの煩雑な革袋からもおさらばできる!」
生物以外のどんなアイテムでも入れる事ができ、入れている間は時間経過がしない。個数制限はなく、代わりに1キログラムにつき最大MPが1減る。
これを覚えることで
「まあ、スキルの定着は後回しにして、もう少し経験値も稼ぐか。
5レベルまではちょっと遠いけど、やってやれなくはないだろう。
それに、そろそろアンデット以外の1G程度のモンスターを相手にしてもいいはずだ。
「んじゃ1ゴールド鉄貨を投げて……」
硬貨を取り込んで、魔物が変容する。
頭だけ大きなヒョロヒョロの人型の魔物。背丈は80センチくらいだろうか。ゴブリンより小さい……ゴブリン・キッドって呼ばれてるやつだな。
……
「天に轟く雷神の力を借りて、今!衝撃の電光を放つ!
麻痺を発生させる雷属性の一撃を受けて動きが鈍った所を一閃。あっという間にかたが付いた。
……
ちょっとそっちの方も試してみるかな。
適度に魔物を寄せながら、教えてもらった魔術を試していく。
休憩をはさみながらいくつもの組み合わせを試し、一通り終わるころにはレベル3に上がっていた。
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