Nothing:episode2 3. 再び、過ち(2)

 翌日、その嫌な予感は的中して、須見すみの仕事はなくなってしまった…。

「須見、ゴメン…」

「ん?」

 いつものオフと変わらない須見がそこにいて、

「これからは控えるから…」

「うん。控えた方がいいぞ。お前の飲み方は体に悪い」

 いつものように正論を言う須見がいて、

「ずっと一緒にいたい…」

「そうだな…」

 あれ?いつもならそういうのはコイビトに言えって言うところなのに…。

 思わず、須見の顔を見つめる…。

「ん?…どうした?」

「須見、好きだよ…」

 そして、告白してしまった…。

「知ってるよ…?」

「うん…」

 その笑顔は、それ以上踏み込むなって笑顔だな。長年の付き合いだから分かる。この雰囲気。

「俺は友達としての感情しかないから、ごめんな…」

「知ってるよ…?」

 深々と頭を下げる須見に、この頃の俺は余裕なくその場を去った…。

 今、思うと須見はこの後何か言おうとしていたんだろうなって…。

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