45 半年後 母ポールは、お腹に女の子を身籠った。

「林檎ウォ―ル。」

 僕は、巨大な林檎を作り出した。




 林檎シールドでは、防ぎきれない攻撃をどう防げばいいのか、考えて編み出した技だ。




 10月26日 日曜日 




 僕は、家の林檎果樹園で、技の特訓をしていた。




 エリーゼ都での戦から、174日、もう、半年になろうと、している。




 「林檎アサルトライフル!。」

 自分で作った林檎ウォ―ル、目掛けて、アサルトライフルを撃つ。




 ドシュウウウウウウ!


 

 

 ドバーン!



 林檎ウォ―ルに、めり込む。




 貫通はしていないようだ。




 「よし、強度もだいぶ、安定してきたな。」

 僕は、額を右手の甲で拭った。



 

 「林檎砲!。」

 僕は、林檎砲を放つ。




 ドッカーンンンン!!!




 林檎ウォールに直撃する。




 林檎ウォールにめり込み、ひびが入って、壊れた。




 「貫通はしていないが、林檎砲では、流石に壊れるか―。」

 僕は、呟いた。




 よし、次の技を練習するか。




 「林檎―。」

 技をやりかけた時、母の声がした。




 「ははは。ロネがまた、一人遊びやってるよ。面白い子だねえ。」

 母は、僕をみて、笑った。




 一般人には、能力による技や滅死壊はみえないのだ。




 おかしなことをしているようにみえているだろう。




 「そういう年頃なんだよ。」

 父は、微笑ましそうに僕をみた。




 「ええ。ロネは少々、大人びすぎていたから、心配だったけれど、子供っぽいところもあってよかったわ。」

 母は、返した。




 恥ずかしい、転生前と合わせて、27年生きて、一人で、中二病ごっこしてると思われている自分を想像すると、笑えてきた。




 僕は、強くならないといけないんだ。




 父は、母のお腹をさすった。




 「調子はどうだい?」

 父は、母にきいた。




 「ええ。いいわよ。」

 母は、答えた。




 母は、最近、身籠った。




 妊娠4ヵ月ほどで、6月27日に、できた、女の子らしい。




 僕にも、妹ができたのだ、無事に生まれてくれるといいなあ。




 転生前での妹、花央梨の事を思い出していた。




 ネロー星では、花央梨は8歳で、僕は14歳か。




 ミミコさんが言っていたことが本当だとすると、僕は、18年前に転生しているらしい。




 今、僕は6歳だから、あと12年もすれば、ネロー星に、滅死壊が襲ってくるのだ。





 ミーロ星には、もうすぐ、大侵攻が来ると言っていたし、もっと、能力を磨かないとな。




 10月27日 月曜日 午後12時3分




 ルネ小学校 昼休み、ミミコエリアにて。




 「能力バトル、いつみても、凄いや。」

 アルルは、手で口を覆った。




 アルルは、半年の間に、能力を解析する事で、みえるコンタクトレンズと眼鏡の開発に成功した。



 

 コンタクトレンズを目に入れ、僕たちの戦いをみているのだ。




 大侵攻に備えて、学校で、特訓するようになっていた。




 ミミコエリアを広げて、グラウンドで、バトルするのだ。




 ロールと、僕は、バトルして、鍛え合っていた。




 「やるな、ロネ。パイロキネシス。」

 ロールさんは、物質を発火させる、超能力、パイロキネシスを放った。




 防ぎようのない、焔だ。




 「林檎空蝉。」

 僕は、林檎の変わり身を作る。




 ボわああああああああああああ!!!




 林檎の変わり身が、激しく燃え盛る。




 やった。



 

 林檎空蝉が、うまく決まったのは、はじめてだ。




 「凄いよ、ロネ!。」

 アルルは、手を叩いた。







 「やるな。ロネ、どんどん強くなっていきやがる―。」

 ロールさんは、二ヤリと嬉しそうに、笑った。




「エクスプロージョネシス。」

 ロールさんは、視線を僕に合わせると、右目を閉じて開いた。




 パチン。




 ロールさんは、右手で、指パッチンをした。




 バウン!




 林檎空蝉が、爆発した。




 「なっ。林檎空蝉がっ。」

 僕は、林檎空蝉の爆風に飛ばされた。




 「大丈夫!ロネ!。」

 アルルは、叫んだ。




 「林檎シールド。」

 咄嗟に林檎シールドで、衝撃を緩和する。




 「ふう、危ない、危ない。」

 僕は、冷や汗をかいた。




 「よかったあ。」

 アルルは、安堵した。




 「ごめんごめん。危うく、大怪我させるところだった。」

 ロールさんは、左目を閉じて、上目遣いで、僕をみた。




 「大丈夫だよ。」

 僕は、言った。




 「もうすぐ昼休み終わるねえ。」

 ロールさんは、時計をみた。




 「ですね。そろそろ、教室に戻らないと。」

 僕は返した。




 「次は、あたしと戦ってよね。」

 リリは僕とロールさんをみた。




 「ああ。」

 僕は、答えた。




 毎日、3人でローテションして、バトルして、力をつけている。




 ミミコさんは、一人で、瞑想したり、時々、僕とロールさんと、リリの攻撃を結界でガードしたり、躱したりする特訓をしている。




 「いいなあ、能力―。僕は、できる事をしよう。」

 アルルは、小さく呟いた。


 

 


 


 

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