ミーロ星への滅死壊の大侵攻

44 ルネ小学校での新しい日常

「行ってきまーす。」

 僕は、家の玄関の扉を開け、外に出た。




 いい天気だ、晴れ晴れしている。



 

 5月19日 月曜日 午前7時ごろ




 ルネ小学校へ登校する。




 学校へ着くと、校門を抜け、昇降口から、中に入る。




 昇降口を出た下駄箱に、外履きを閉まって、内履きに、履き替える。




 「よ、ロネ。」

 ロールさんだ。




 「おはようございます。」

 僕は挨拶した。




 「昼休み、校庭に集合な。ミミコもいる。」

 ロールさんは、伝えた。




 「わかりました。」

 僕は、返事した。




 「じゃあな。テレポート。」

 ロールさんは、テレポートして消えた。




 いいのか、学校で、超能力使って移動して―。




 ロールさん、らしいや。




 「ローネ。おはよう。」

 アルルだ。




 アルルは、後ろから僕の右肩を、右手でパンと叩いて、軽く体重をかけた。




 「にひひ。」

 アルルは、僕の驚いた顔をみて、笑った。




 「おはよう、アルル。」

 僕は、挨拶を、返した。




 教室に入り、授業受ける。




 授業が終わり、昼休みになった。




 「ローネ。お昼、一緒にどう?」

 アルルが、4組の教室に入ってきて、僕を誘った。




 「ごめん。今日、別に予定があるんだ。」

 僕は、断った。




 アルルは、心底、悲しそうな顔をした。

 



 「最近、ロネ、変わったよね、僕に、隠してる事ないー?」

 アルルは、訝しそうな目で僕をみた。




 鋭いな―。




 「ないよお。」

 僕は、返した。




 「嘘だ。いつか、言ってくれる日を待ってるよ。」

 アルルは、言った。




 アルルには、敵わないな―。




 教室を出て、廊下を歩き、昇降口から校庭に出る。




 「来たか、行くぞ、ついて来い。」

 ロールが、校舎の昇降口の入り口あたりの扉の前で、腕を組んで突っ立ていた。




 人気のない、木漏れ日の校庭の隅っこの桧の樹の下に来た。




 赤いソファと机がある。




 新しく、緑色のテントとタープが張ってある。




 500×500はありあそうで、中で8~10人は過ごせそうだ。




 シングルベッドも二台ある。





 ミミコさんに、前、呼ばれたところだ。




 神通力で周りからはみえなくなっているらしい。




 ミミコさんと、リリがいた。




 ミミコさんは、赤いソファに座って本を読んでいる。



 

 リリは、イヤホンをつけて、スマホで、動画をみていた。




 「お、来たか、ロネ。」

 ミミコさんは、本を閉じて、言った。




 「はい。」

 僕は、返事した。




 「だいぶ、豪華になったでしょ。テントとベッドを買って持ってきたのよ。」

 ミミコさんは、自慢げにした。




 「ええ。いいですねえ。」

 僕は、返した。




 「ロネ―。」

 リリは、僕の名前を呼んだ。




 「リリ、こんにちは。」

 僕は、挨拶した。




 「ふふふ。ロネ!こんにちは!。」

 リリは、嬉しそうに、笑った。




 「今日は、どうした要件で?」

 僕はたずねた。




 「要件、なんてないわよ。エイレーネ団員なんだから、集まる時間があった方がいいでしょ。情報共有の為にもね。」

 ミミコさんは、答えた。




 「暇なだけだろ。」

 ロールは、ボソっと呟いた。




 「うるさいわね、一言余計なのよ、あんたは。」

 ミミコさんは、困った様子で眉を顰めた。




 「情報共有なんて、インターネットでできる。」

 ロールは、続けた。



 「いいのよっ。一緒にいた方が楽しいじゃないのよ!、もっと仲良くなりたいし。」

 ミミコさんは、頬を膨らませた。




 「仕方ないやつだな。」

 ロールさんは、笑った。




 「ははは。」

 僕は、笑った。




 「いいですね。楽しいです。」

 僕は、言った。




 「でしょ、でしょ。今日から、昼休みは、ここ集合ね。」

 ミミコさんは、急に提案した。




 「えーーーーー。」

 ロールは、厭そうな声をあげた。




 「いいじゃないですか!。」 

 リリは、手を叩いた。



 

 「愉快でいいね。」

 僕は、賛成した。




 「3対1で、集まるの決定ね。」

 ミミコさんは、決定事項にしてしまった。




 「そろそろ、昼休みも終りね。はやく授業に戻りなさい。」

 ミミコさんは、言った。




 「お前は、どうするんだよ。」

 ロールはきいた。




 「あたしは、神通力で出た事にして終わりよ。」

 ミミコさんは答えた。





「基本、ミミコエリアで、本を読んだり、パソコンで調べものをしたり、勉強してるわ。」

 ミミコさんは続けた。




 「ミミコエリア?んだよそれ。」

 ロールはききかえした。




 「この場所の事よ。」

 ミミコさんは、自慢げに答えた。




 「ミミコさん、学校行く意味が―。」

 僕は、言いかけた。




 「ははは、ないねー。学校なんてなくなっちゃえばいいんだよお、ははははは。」

 ミミコさんは盛大に笑った。



 

 大丈夫だろうか―。



 

 「ミミコさん―、マズいですよ。」

 リリも、若干引いている。




 「学校なんて、インターネットで勉強できるんだから、不要だよ。暇つぶしに来てるだけ、あと、友達作りとか、遊ぶためだね。」

 ミミコさんは、笑った。




 「ロネ、もう昼休み終わるわよ、あたしたちは教室に戻りましょ。」

 リリは、僕の方をみた。




 「行きますか。」

 僕は、歩き出した。




 授業が終わり、家に帰る。




 5月20日 火曜日

 



 朝7時30分ごろ ルネ小学校の昇降口。




 下駄箱で内履きと外履きを、履き替えていた。




 「ローネ、おはよう。」

 アルルだ。




 「おはよう。」

 僕は、挨拶を返した。




 教室に入り、授業を受ける。




 昼休みになった。




 「ロネええ、今日は、一緒に、お昼休み!いいでしょお?」

 アルルは、物欲しそうな目で僕をみた。




 断りつらい、お昼は、もうずっと一緒できなくなってしまったのだが―、どうしたものか。




 「ごめん、今日も無理なんだ。」

 僕は、申し訳なさそうに謝った。




 どうにか、都合をつけて、明日は、一緒に、いられるようにしよう。




 ミミコさん、ロール、リリにも、言っておかないとな―。



 

 「えー!つれないなあ。僕以外に、女でも出来ちゃった?浮気者だなあ。」

 アルルは、笑った。




 「違うよ。明日は、大丈夫だから。」

 僕は、言った。




 「わかったよ。」

 アルルは、引き下がった。




 しょんぼりとした、顔をしている。




 校舎を出て、校庭のミミコエリアへ向かう。




 「やっぱりだ。ロネって魔法使いなの?」

 アルルの声がきこえた。




 アルルが、ミミコエリアのあたり、で突っ立っていた。




 「アルル、どうして―。」

 僕は、目を見開いた。




 「ロネ、いつも、昨日、この辺りで急に消えるから、おかしいなあ、って思ってたんだよね。消えるんでしょ?」

 アルルは、笑った。




 「消えないよ。ははは。」

 僕は、誤魔化した。




 「ロネ、嘘は、よくないね。ほら?」

 アルルは、スマホを取り出すと、動画を再生して、僕にみせた。




 僕とロールが、急に消えて、いなくなっている。



 

 ミミコさん!認識歪曲で、記憶消さないとまずいです!




 「ふふふ。どうしようもないよねえ。家で解析しても、原理がわからないんだ。魔法としかいいようがないねえ。」

 アルルは、目を輝かせた。




 「おい、二人で、何話してんだ?」

 ロールだ。




 「ロネ、誰、この男。」

 アルルは、ロールさんをみた。




 「ああ、ロールさんだよ。友達なんだ。」

 僕は、適当に紹介した。




 「友達?へえ、随分、仲がよさそうだけれど―、怪しいなあ。」

 アルルは、訝しそうにロールさんと僕を交互にみる。




 「おい、ロネ。誰だ、この子。一般人じゃねえだろうなあ?」

 ロールさんは、困った様子で、アルルをみた。




 「ええ。僕の親友なんです。どうしたものでしょうか。」

 僕は、頭を掻いた。




 「どうも、アルルです。」

 アルルは、ニッコリと笑った。




 「かわいいじゃあねえか。」

 アルルは、きいた。




 「男ですよ。」

 僕は、返した。




 「ほう―、驚いた。」

 ロールは、目を丸くした。




 「えへへ。」

 アルルは、照れくさそうに髪の毛を触った。




 「しっかし、面白いなあ。」

 アルルは、笑い出した。




 「どうしたの。」

 僕は、きいた。




 「みえないのに、確かに、テント、ベッド、ソファ、テレビがあるんだ。中には、人もいる。どういう原理なんだ?」

 アルルは、不思議そうな顔をしている。




 「ん?みえない?え、どういうこと?」

 僕は、頭がこんがらがってわけがわからなくなった。




 「妙ねエネルギーのばらつきがあるんだ、データ解析すると、なくてはおかしい物体の形状が予測できるのだけれど、めにみえないし、音もない。変だとしかいいようがないよ。」

 アルルは、言った。




 化け物、天才児でた!




 思わず、心の中で、叫んだ。




 ええええええええ、という目で、ロールは僕をみている。




 「あああ!、何やってんのよ、あんたたち、もういいんじゃない、アルルくんだっけ、君も、入ってきたら。」

 ミミコさんが、ミミコエリアから、出てきた。




 「一般人に、知られてるのはマズいですよ。」

 僕は、返した。




 「大丈夫よ。どうみてもアルルって子は普通じゃないでしょ。特別よ。」

 ミミコさんは、アルルをみて、言った。




 「わあ。本当に、急に人が出てきた。面白いや。」

 アルルは目をキラキラに輝かせた。




 「じゃ、あんたも中に入れるように、するわよ。えい。こっちへいらっしゃい。」

 ミミコさんは、手招きした。




 「じゃ、行きますかー。」

 ロールさんは、ミミコエリアに入った。




 「面白い!、面白い!面白い!、どういう仕組みなんですか?外からはみえないのの―、不思議だなあ。」

 アルルは、興奮した様子であたりをみわたした。




 「ちょっと、誰なのよ、そいつ。」

 リリは、アルルをみて、警戒感を現した。




 「僕の親友だよ。アルルっていうんだ。」

 僕は紹介した。




 「え―、ロネの親友…、えらくかわいい子じゃないの。」

 リリは、ショックを受けた様子で、アルルをみた。




 「どうも、アルルです、よろしく。」

 アルルは、挨拶した。




 「リリよ。どうも―。」

 リリは、言った。




 「ねえ、ロネ。付き合ってはいないのよねえ?。」

 リリは、耳打ちした。




 「うん。男の子だしね。そういう趣味もないし。」

 僕は、答えた。




 「え。ごめん、なんか、勘違いしてたみたい。っていうか、大丈夫なの、一般人を巻き込んじゃって。」

 リリは、言った。




 「アルルは、天才なんだよ。データ分析で、ミミコさんの神通力を見破って、この場所に気が付いたんだ。」

 僕は、リリに説明した。




 「ふうん。面白い子なのね。」

 リリは、値踏みするように、アルルをみた。

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