43 ロールさんと決闘
「ロネ、俺は未だ、お前の事を認めたわけじゃあ、ない。決闘だ。」
ロールさんは、僕を指差して、決闘を申し込んできた。
5月12日 月曜日 午後4時 学校終わりの校庭での事だ。
エリーゼ都での、滅死壊との戦いがあってからも、ロールさんは僕を認めてはくれなかった。
仕方ない、一度、拳を交える事で、わかりあえることもあるだろう。
「わかった。」
僕は、同意した。
「よし、今日の6時、キラ星川の河川敷で、勝負だ。」
ロールさんは、告げた。
校庭から、出て、家に帰る。
5時すぎ、河川敷に到着した。
ロールさんは、もう、僕より先に、河川敷で待っていた。
キーンコーンカーンコーン―
チャイムの音が鳴った。
「6時のチャイムだ、はじめるぞ。」
ロールさんは、言った。
「どうして、あたしが巻き込まれなくちゃならないんだか―。」
ミミコさんは、困り眉で、河川敷に来た。
「じゃ、はじめるわよ。レディファイト!。」
ミミコさんは、決闘の火蓋を切った。
「行くぞロネ、PSEポルタ―ガイスト 発火。燃えろ。」
ロールは、技を唱え、指パッチンを鳴らした。
パチン!
「うわああああ。」
僕の身体が発火した。
あちいいいいいい。
火傷しちまう。
防ぎようがない。
バチャーン!
僕は川に飛び込んで、火を消した。
ふう、助かったああ。
「PSE サイコキネシス 金縛り。」
ロールは、唱えた。
身体が鉛みたいに重い。
動かない、ヤバい、溺れる―。
どうにか、しないと。
「林檎ボート。」
咄嗟に、軽く密度の少ない、林檎を作ってボートを作った。
危なかった―。
「PSE パイロキネシス、燃え続けろ。」
ロールは、指パッチン鳴らした。
パチン!
林檎が燃え、僕の身体も燃え始める。
川の水の中にいるのに、火が消えない。
焼け死んでしまう。
このままじゃ―、体温が上がりすぎて、死ぬ。
突撃だ。
「ボルタ林檎。」
僕は、最速のボルタ林檎に乗った。
秒速100mで動かせるようになっていた。
「林檎アサルトライフル。」
右手の人差し指と親指を立てて、左手で、右肘を固定し、ロールをロックオンする。
ドシュウウウウウウ!
秒速2000mのスピードで、林檎の弾丸が、ロール目掛けて飛んでいく。
「PSE アスポート 物体転送。」
ロールは、指パッチンを鳴らした。
僕の林檎アサルトライフルの弾丸が、消えた。
マズい、熱で死んでしまうぞ。
「林檎砲!」
左手で右肩を固定し、右手の親指を広げ、人差し指から小指は揃えて立て、ロールをロックオンし狙いを定める。
ダメだ、きっと、林檎砲だけではロールには勝てない。
「林檎巨大岩石 落下衝突!。」
空高く、みえないところに、林檎岩石を作りはじめる。
二つの技を同時に当てる。
きっと、ロールは、2つとも避けるだから、捨て身しかない。
「乗ってやる、林檎砲の弾丸林檎に。」
僕は、林檎砲から放たれた林檎砲の上に立った。
秒速2300mの速度で、飛ぶ。
「林檎アサルトライフル。」
右手の人差し指と中指を立てて、左手で、右肘を固定し、ロールをロックオンする。
秒速2000mの速度で、アサルトライフルが飛ぶ。
僕の身体は、もう燃え尽きて灰になろうとしていた。
「PSE アスポテーション!。」
ロールは林檎砲を消し去った。
まだだ。
アサルトライフルが、あるぞ。
林檎砲の弾丸が、消し去られる、一秒前に、林檎アサルトライフルを撃ち、飛び降りた。
「ボルタ林檎。」
落ちる寸前、ボルタ林檎を出し、飛び乗る。
「くっ。」
ロールも後づさった。
「PSE テレポーテーション。」
ロールは、林檎アサルトライフルを躱した。
僕は二っと笑った。
「林檎巨大岩石 衝突!!!。」
僕は拳を握った。
空高くから、巨大な林檎岩石がロールを目掛けて落ちる。
途轍もない、隕石だ。
秒速5000mはくだらない速さだろう。
「そこまでええええええ!!!!。」
ミミコさんは、叫んだ。
「結界術 転移。」
ミミコさんは、林檎岩石を、転移させた。
「引き分けよ。はやく、パイロキネシスを解きなさい、ロネが死んじゃうわ。」
ミミコさんは、困り眉で言った。
「わかったよ。ははは。」
ロールは笑った。
ロールのパイロキネシスが解ける。
「仲直りは?」
ミミコさんは、言った。
「わかってるよ。ほら。」
ロールは僕に手を差し出した。
「ああ。ありがとう。」
僕はロールの右手を握った。
柔らかく細い、女の子みたいな手だった。
「お前丸焦げだな。はやく、ももこさんに、診てもらった方がいいぞ。」
ロールは、笑った。
「だね。」
僕は、返した。
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